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和歌山・新宮のゲストハウスで「あまった~る食堂」 フードロスを考えるきっかけに

「あまった~る食堂」開催準備中のキッチン

「あまった~る食堂」開催準備中のキッチン

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 新宮市熊野川町の宿泊施設「Guesthouse ikkyu(ゲストハウス イッキュウ)」(新宮市熊野川町宮井)で11月25日、廃棄予定の食材を調理して提供する「あまった~る食堂」が1日限定で営業した。

「あまった~る」食材でプロの料理人に調理された色とりどりの中華風ディナー

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 同ゲストハウスは築70年の古民家を改装した1日1組限定の貸し切り宿泊施設。自然環境に負荷を与えないことをテーマとしており、電気はソーラー発電で賄い、排せつ物を肥料に変えるコンポストトイレを使うなど循環可能な生活を目指す。

 同イベントでは、商品にできない「あまった~る(和歌山の方言で余っている)」食材を使って夕食を提供した。用意された食材は店舗での売れ残りや廃棄予定の冷凍食品、地元農家から提供された野菜、洋菓子店の余ったスポンジケーキの端部分などで、県内外も含め6カ所ほどから提供を受けた。調理は伊藤くにおさんが担当。伊藤さんは世界各地の「ふるさとの味」を学ぶべく10年以上世界を旅し、帰国後に名古屋で料理教室と英語教室を営む。

 当日は松花堂弁当、大豆ミートのカツカレー、中華風ディナーの3種を提供。食後のデザートにはスポンジケーキの端のティラミスのイチゴソースあえが提供され、集まった24人の参加者が舌鼓を打った。

 来店した30代男性は「余った食材でどんな料理が出てくるか楽しみだったが、ぱっと見て何が余った食材なのか分からない。社会では余っている食材が多いことを考えさせられる。大豆ミートを食べたのは初めてで、余った食材で健康的な食事ができることには驚いた。今後も継続的に開催してほしい」と話す。

 ゲストハウスオーナーの森雄翼さんは「『あまった~る食堂』は学生の時から開いていた。昔は余った食材を廃棄することに憤っていたが、3年前から田舎で循環型生活を送り、社会に対して一つのアプローチになると考えるようになった」と話す。「食材の集まり次第だが、来年の春くらいに次回開催を考えている。この活動を通じて、県外からのお客さまはもちろん、協力してくれるスタッフにも楽しんでフードロスを考えてもらえたら」とも。

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