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和歌山県立自然博物館で新種「アカツキミミズハゼ」展示 串本町で14年前に発見

8月20日付けで新種として記載された「アカツキミミズハゼ」

8月20日付けで新種として記載された「アカツキミミズハゼ」

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 新種のハゼ「アカツキミミズハゼ」が現在、和歌山県立自然博物館(海南市船尾、TEL 073-483-1777)で公開されている。

アカツキミミズハゼの標本や論文

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 アカツキミミズハゼは全長2.5~5センチほどで、山からの水などの淡水が染み出す海岸の石の下などに生息している。体色は赤褐色からだいだい色で、和名の「アカツキ(暁)」の由来となった。国内では静岡県と和歌山県で見つかり、県内では、白浜町やすさみ町、串本町、那智勝浦町で生息が確認された。

 2005(平成17)年6月に、串本町の荒船海岸で南紀生物同好会の弓塲武夫さん、生物学研究所の池田祐二さん、日置中学校の玉田一晃さん、田辺市在住の池田博美さんらが発見した。同年8月には、当時中学生だった中澪さんが同館のイベントで発見し、未記載種のハゼとして標本にした。

 追加の標本採取やすでに種として記載されているハゼとの詳細な比較などの研究が行われ、8月20日付けの動物分類学の国際学術雑誌「ZOOTAXA(ズータクサ)」で新種として発表された。学名は「Luciogobius yubai」で種小名の「yubai(ユバイ)」は発見者の弓塲さんにちなむ。

 同館では現在、玄関ホールにアカツキミミズハゼの生体と新種記載に使われた標本や記載論文の写しなどを展示している。

 同館学芸課長の平嶋健太郎さんは「アカツキミミズハゼは夜行性のようで、昼間は浅い岩陰などで見られる。夏場の方が見られる機会は多い。日本で見られるハゼは約400種で、和歌山では200種弱が見つかっている。子どもたちの観察眼は鋭く、大人が見過ごすところから珍しいものを発見することがある」と話す。「ハゼに限らず、まだまだ未記載の生物はたくさんいるので、自然観察を続けていればもしかすると新種に自分の名前が付く日が来るかもしれない」と笑顔を見せる。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は480円(65歳以上、高校生以下無料)。10月31日まで。

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