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和歌山で「女性活躍推進」テーマにシンポジウム 地元経営者が実践例を報告

ステージで意見を交わす登壇者

ステージで意見を交わす登壇者

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 「女性活躍推進」をテーマにした講演会「女性が輝くまち みんなが活きる和歌山市」が11月17日、和歌山市あいあいセンター(和歌山市小人町)で開催された。主催は和歌山市。

データから日本の女性・和歌山県の女性の現状を説明する和歌山大学経済学部准教授の金川さん(左)

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 同市では2018(平成30)年から、「和歌山市男女共同参画推進条例」の一環として女性活躍推進に関する講演会を行っている。当日は、市内から3人の経営者をゲストに招き、各企業での女性の活躍について実践報告を行った。

 第1部では、「インテリックス」(里)社長の木村明人さん、IBW美容専門学校(北汀丁)副校長の山本理恵さん、菱岡工業(中島)社長でNPO法人「ジョイ・コム」(同)理事長の岡田亜紀さんが講演。木村さんは女性のライフステージを意識した働きやすい職場作り、山本さんは女性の社会進出を後押しした美容師国家資格制定の歴史をひも解きながら、働き続けたいと思える職場作りの実践などを話した。岡田さんは、従来の男性の作業をパートタイマーの女性が担えるようにした事例や勤務中に授乳できる企業主導型保育事業の立ち上げと、障害者の就労のジャンルを増やす就労継続支援事業A型事業所の運営について話した。

 第2部は和歌山大学経済学部准教授の金川めぐみさんがコーディネーターを務め、登壇者とディスカッションを行った。金川さんは始めに、日本の女性活躍の国際的地位が110位であることや男性のみのチームより男女含むチームの共同発明の特許の経済効果が高いことなどをデータで示し、和歌山県女性活躍企業同盟が459の企業と団体にとどまっていることを指摘した。「『Gender(=男女平等)』と『Generation(=次世代)』が育った社会は皆にとって生きやすい社会、この2つを進めるためにはどうしたらいいか考えたい」と問題提起した。

 登壇者らは、制度があっても使えない現場を変えるために多能工化を進め、休みを取りやすくした事例や、資格取得を支援し収入アップで成長を実感させることで人材の流出を防ぐ事例を紹介したほか、「一人ひとりの個性が生きる職場環境を作ることで、和歌山が豊かになっていく」など経験を交えて意見交換した。

 最後に金川さんは「女性が活躍する社会は男性も活躍できる柔軟で多様性のある社会。今日の学びや視点を周りの人に伝えて、より良い街にしよう」と締めくくった。

 和歌山市で働く20代女性は「複数の仕事を少しずつ進める『マルチタスク化』など、今日聞いた話を参考に有休が取りやすく、子育てしやすい、満足感のある職場にしていけるように周りに働きかけていきたい」と話す。

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