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和歌山市立博物館で「和歌山大空襲」展 20人の体験談を新たに公開

灯火管制用カバーと防空絵とき

灯火管制用カバーと防空絵とき

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 ホール展示「昭和20年7月9日 和歌山大空襲 伝えたい あの時の記憶」が7月6日、和歌山市立博物館(和歌山市湊本町3、 TEL 073-423-0003)で始まった。

M69焼夷(しょうい)弾の薬きょうや溶けたガラス、爆弾の破片など

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 和歌山大空襲は、1945(昭和20)年1月から7月まで計10回和歌山市が受けた空襲で特に規模の大きかった空襲を指す。同年7月9日深夜から米軍のB29爆撃機108機が和歌山市上空を飛来し、市街地に約800トンの焼夷(しょうい)弾を落とした。市街地は焼け野原になり、1100人以上の命が失われた。和歌山市では毎年7月9日に戦没者戦災死者合同追悼式を行っている。

 同展は大空襲後の街並みなどを写した写真パネル8枚、焼夷弾の薬きょうや爆弾の破片、溶けたガラス、防空頭巾、夜間室内の明かりが漏れないように使われた「灯火管制用カバー」、灯火管制や爆弾の種類などを図で解説した「防空絵とき」などを展示する。このほか、駿河町から城北橋まで逃げ、生き延びた井田敬之助さんが描いた「和歌山大空襲体験絵巻」の複製展示と映像上映を行う。

 同館では2015(平成27)年から空襲の体験談を記録。2017(平成29)年には41人の体験談をパネルにして展示。今回は新たに20人の体験談を300字でまとめ、展示する。

 10日は米軍から提供された映像や体験者の声をまとめた約20分の映画「和歌山大空襲」を上映する(10時、14時の2回。鑑賞には入館料が必要)。

 前田敬彦館長は「たった300字ではほんの一部しか伝えることはできないが、貴重な体験を展示している。焼け野原になった市街地の写真を見ていただき、この時代を次の世代の記憶に残してもらいたい」と話す。

 開館時間は9時~17時。観覧無料。月曜休館。7月23日まで。

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