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和歌山のブドウサンショウ農家・新田清信さんがワークストーリーアワード受賞

ワークストーリーアワード受賞の記念品を手にする新田さん

ワークストーリーアワード受賞の記念品を手にする新田さん

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 「きとら農園」(有田川町清水)の新田清信さんが12月15日、「Work Story Award(ワークストーリーアワード)2021」を受賞した。主催は一般社団法人「at Will Work(アットウィルワーク)」(東京都千代田区)。

オンラインで表彰式に出席するゲスト審査員・山口揚平さん(左)と新田清信さん

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 同賞は「これからの日本をつくる100の 『働く』をみつけよう」を合言葉に、成功事例の取り組みの背景や人々の思いなどの年間20の「ストーリー」を選出し、表彰するもの。2017(平成29)年から5年間の開催で2021年が最終年。ブドウサンショウ農家の新田さんは「独自のマーケティングで売り上げ実績を伸ばし、周辺地域に活動を拡大させ、外部を巻き込むモデルプレーヤーとなっている」と評価され、審査員(山口揚平さん)特別賞「素敵(すてき)な未来を創りま賞」を受賞した。

 和歌山県は生産量日本一のサンショウの産地。ブドウサンショウは有田川町清水地域が発祥とされている。新田さんは同地域出身。大学卒業後、東京で約10年生活し、2011(平成23)年に和歌山へUターンし、就農した。サンショウで想像していた収入を得られず苦心した新田さんは、桑の葉茶の販売、庭師の兼業など、多方面での働き方を実践する。ネット通販などの直販に取り組み、独自加工の「粉山椒(さんしょう)」や希少部位「花山椒」の販売などでブドウサンショウの収益性を高め、それを主として生計を立てることに成功している。

 新田さんは「清水地域では生産者の平均年齢が80歳を超えており、産地消滅の危機にある。現在の価格ではサンショウ生産のみで生計を立てることは難しい。ブドウサンショウはたくさん作るだけではなく、付加価値が重要と考え、実践した『粉山椒』や『花山椒』の直販が評価されてうれしい」と話す。「ブドウサンショウの魅力を発信して、需要拡大し、価格が上がれば新規就農者も増える。新規就農者のモデルになれれば」と意気込む。

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