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和歌山の古墳70カ所を紹介「わかやま古墳ガイド」発売 「古代のロマン感じて」

「わかやま古墳ガイド」を手にする学芸員の田中元浩さん

「わかやま古墳ガイド」を手にする学芸員の田中元浩さん

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 和歌山県内の古墳70カ所を紹介した書籍「わかやま古墳ガイド」が4月、「ニュース和歌山」(和歌山市南中間町)から発売された。

高さ3.2メートルある岩橋型横穴式石室を持つ前山A46号墳(紀伊風土記の丘) 

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 県立施設「紀伊風土記の丘」(岩橋)の学芸員らが解説した古墳ガイドブック。同施設によると一般向けの古墳のガイドブックは県内初という。県内には約1700基の古墳があり、約7割が和歌山市に集中する。同書では国内最大級の900基を有する岩橋千塚古墳群のほか、和歌山市、紀北、紀中、紀南と5つのエリアに分けて特徴や見どころを紹介する。

 古墳群では、翼を広げた鳥形埴輪(はにわ)、両面人物埴輪などユニークな埴輪が出土した大日山35号墳、玄室の高さが国内2番目の天王塚古墳。和歌山市エリアでは、日本で唯一金製勾玉(まがたま)が出土した車駕之古址(しゃかのこし)古墳を解説。紀北エリアは、真田幸村の抜け穴伝説で有名な真田古墳、紀南エリアは海辺の洞穴につながり、漁業に携わった民を葬る磯間岩陰(いそまいわかげ)遺跡を取り上げる。現地を訪れ見学できるよう、各項にアクセス方法や周辺地図、難易度などを掲載する。

 担当した学芸員の田中元浩さんは「和歌山の特徴は、古墳の上に上ったり、石室に入ったりできる古墳が多いこと。ぜひ近くで見て古代ロマンを感じてほしい」と話す。「コロナ禍で登山やアウトドアが注目される中、身近な古墳に興味を持つ人も増えた。これから夏にかけて植物が生い茂り、上るのに少々苦労する場所もあるが、石室は外よりも5度ほど低く、ひんやりとした空間を楽しめる」とも。

 A5判、144ページ、オールカラー。価格は1,760円。県内主要書店のほか、アマゾンや楽天ブックスなどで取り扱う。

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