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和歌山に「印南町防災福祉センター」 町役場近くに新たな交流拠点

印南町防災福祉センター外観

印南町防災福祉センター外観

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 「印南町防災福祉センター」(印南町山口、TEL 0738-42-1433)の完成式典と内覧会が5月28日、行われた。

印南町のシンボル「かえる橋」をあしらったピロティ

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 同施設は、海抜30メートル、町役場近くに建てられた鉄骨造2階建て。福祉や保健、町民の交流の場として利用し、災害時は災害ボランティアセンターの拠点になる。4月28日に完成し、5月1日から管理を受託した印南町社会福祉協議会が運用する。

 建物内には、社会福祉協議会の事務所や会議室、サークル室などのほか、屋上には発電機や太陽光パネルなどを備える。災害時にボランティアの受付場所となる会議室と倉庫棟をつなぐピロティは、救援物資の搬入、搬出を行うスペースにもなる。倉庫棟には車いすや介護ベッドなどの福祉用具のほか、スコップや一輪車、備蓄食料、ブルーシートなど災害用資機材を備える。町内8カ所にある防災備蓄倉庫と共に、災害状況に応じて物資を町内外に送り届ける。

 当日は同町が保有する3機のドローンを展示。ドローン「MAVIC 2」は、装着したライトや赤外線カメラを活用した捜索、スピーカーからの呼びかけなどによる人命救助活動に対応する。ドローンが撮影する映像や町内の防災カメラの映像、施設のボランティア受付となる会議室の映像は、災害対策本部になる町役場庁舎の会議室に送信される。ドローンを操作できる職員の数は27人。平時は観光PR写真の撮影や施設の点検、鳥獣害対策などに活用する。

 完成式典には関係者のほか、福祉事業者などが出席。一般向けの内覧会には子どもから高齢者まで66人が訪れた。同町在住の女性は「何かあったときに安心できる。調理室や和室もあって、普段のサークル活動で利用したい」と笑顔を見せる。

 同町役場住民福祉課の北村尚樹さんは「内覧会では、倉庫内にある物資の種類を説明したり、耳の不自由な人に向けた火災などの異常を知らせる光警報装置を作動させたりした。家族連れや障がいのある人も来てくれて、施設の平時と災害時の両方の役割に興味を持ってもらえた」と話す。

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