海南市在住のカメラマン黒岩正和さんが1月17日、初の写真集「百島百祭」を刊行した。発行元は光村推古書院(京都市)。
黒岩さんは1982(昭和57)年、和歌山市生まれ。18歳から東南アジアを野宿しながら放浪したり、20歳で中国・雲南省に長期滞在し山岳少数民族の暮らしを撮影したりしてきた。京都精華大学を卒業後、写真家・溝縁ひろしさんのアシスタントを経て独立した。2004(平成16)年に第52回二科展写真部学生部門オリエンタル賞、2005年(平成17年)「キヤノン写真新世紀」入選、2012年(平成24年)「第13回上野彦馬賞入選」などの受賞歴がある。
同写真集は黒岩さんが約20年前から国内の離島を訪れ、撮影した中から77の祭りを収録。四季で章を区切り、季節ごとの自然と祭りの特徴、それぞれ2、3の祭りの体験記を掲載する。写真には祭事名、島名、都道府県名を記す。英訳付き。巻末に祭りの解説を載せる。
黒岩さんによると、日本の島ガイド本「SHIMADAS(シマダス)」で400ほどの離島があると知り、大学の卒業制作までに100島達成を目標に巡った。串本町の大島からスタートし、島民の日常を中心に写真に収め、出来事をノートに記録してきた。2007(平成19)年から離島の祭りの撮影を始め、硫黄島以外の国内の有人島全てを訪問。延べ1600回以上島にわたり、400回以上の祭りを記録したという。
黒岩さんは「偶然出合った島の祭りに衝撃を受け、撮影するようになった。何度も島を訪れ、祭りの由来を教えてもらっている。2度、3度と通った祭りもある。島も祭りも同じものは一つもなく、多種多様で興味は尽きない。休止になる祭りが増えていることが気がかり。タイミングが合わず、まだ撮れていない祭りがたくさんある。生涯の時間を費やしても終わらないが、一生懸けて写真に収め続けたい」と話す。
B5変型判、208ページ。価格は4,950円。