
和歌山県立串本古座高校(串本町串本)の生徒が企画したご当地カプセルトイの販売が3月9日、串本町内3カ所で始まった。
同プロジェクトは「オーエス」(大阪市)とTAKUTOグループ(同)が企画・運営し、串本町内の10以上の企業・団体が協力した。カプセルトイ企画は白浜町に続く第2弾。
「次世代へつなぐ、未来に向けたまちづくり」を理念に掲げた産学官連携プロジェクト。同校2年の生徒6人が5カ月間、14回の授業と1回の休日学習を行い、地域資源や廃物の価値を高めるアップサイクルについて学んだ。町内の材木会社2社が提供した端材を材料に、商品企画から製作、販売までのプロセスを体験した。町内で加工し、カプセルへの封入を福祉事業所が担当するなど、地域の事業者と連携した。
カプセルトイ「串本がちゃ」は、橋杭岩やウミガメなど、地域の魅力を木材で表現したマグネットやフィギュア全33種類(1個500円)。串本海中公園(串本町有田)、潮岬観光タワー(潮岬)、道の駅くしもと橋杭岩(鬮野川)の3カ所で販売し、それぞれ異なるラインアップを用意。販売場所ごとに異なる商品を用意することで観光客の回遊を促す。レア商品として、樹齢300年超えの国産杉で作った、町のキャラクター「まぐトルくん」のマグネットも用意する。
3月8日に同校で開催した完成披露会では、生徒たちが司会進行を務め、商品を紹介。地域の魅力を伝えるカプセルトイを通じ観光客に地域の魅力を発信することなど、プロジェクトの狙いを説明した。生徒たちは「自分たちが考えた商品がお客さんの手に渡ることがうれしい」「たくさんの人に串本を好きになってもらいたい」と話す。
串本町出身で「オーエス」で同事業を担当する淀友樹さんは「地域の皆さんが応援し、支えてくれる。生徒たちが地域の大人たちと関わることで、自分たちの暮らす街の魅力に改めて気付くきっかけになれば。商品販売までの過程で生徒たちがたくさんのことを学んでくれたことが大きな成果だ」と話す。