
古楽器チェンバロの出前授業が5月30日、新宮市立神倉小学校で行われた。
同授業は、和歌山市出身のチェンバロ奏者・奥山杏菜さんが企画。チェンバロは、16世紀から18世紀にかけ、ヨーロッパなどで広く用いられたピアノに似た鍵盤楽器。鳥の羽軸などで作った爪で金属弦をはじいて音を出す。
当日は、5年生児童71人が参加。奥山さんが持参したチェンバロの演奏に耳を傾け、チェンバロの歴史やピアノなどと比較しながら構造についてのクイズを交え説明を受けた。児童たちは実際にチェンバロに触れたり、音を確かめたりしながら学習した。
奥山さんは和歌山大学教育学部在学中にチェンバロに出合ったという。大学院卒業後に教職に就き、音楽教諭として勤務。チェンバロの魅力をたくさんの人に知ってもらいたいと、2年前にチェンバロ奏者として活動を開始した。昨年12月から子どもたちに直接チェンバロを見て触れて聴いてもらおうと、出前授業を始め、これまで和歌山市立八幡台小学校と新宮市立王子ヶ浜小学校で出前授業を行った。
参加した児童たちは「鍵盤は思ったより軽かった。音色は安らかな感じがした」「きらきら星の音色がとてもきれいで心に残った」「チェンバロの中に描かれた絵がきれいだった」「鳥の羽で音を鳴らしていることに驚いた」などと話していた。
奥山さんは「新宮市での出前授業ができてうれしい。日々成長している子どもたちのときめきや感性、吸収と発信を期待している。これからも出前授業を続け、たくさんの子どもたちにチェンバロの魅力を知ってもらえたら」と話す。