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「第2回 有吉佐和子文学賞」、最優秀賞に紀の川市在住の大木篤子さん

表彰式で尾花正啓和歌山市長から表彰状を受け取る大木さん

表彰式で尾花正啓和歌山市長から表彰状を受け取る大木さん

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 第2回「有吉佐和子文学賞」の表彰式が6月1日、有吉佐和子記念館(和歌山市伝法橋南ノ丁)で行われた。主催は和歌山市。

尾花和歌山市長(前列中央)と第2回「有吉佐和子文学賞」受賞者

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 同賞は、同市出身の小説家・有吉佐和子の顕彰、文学を学ぶ機会の提供を目的に2023年に創設。第1回は応募作品2077点の中から、山梨県南アルプス市の日沼よしみさんが最優秀賞に選ばれた。第2回は2024年11月1日~1月31日に、自身のことや世の中のこと、和歌山への思いなどをつづったエッセー作品を募集し、1512点の応募があった。

 最優秀賞は「節約の幸福論」を書いた紀の川市在住の大木篤子さん。作品では、若いころは老いることに不安があったが、その年齢になってみると想像とは違い、年老いたからこそ手に入れることができた幸せに気づき、人生で今が一番好きと言える日常や思いをつづった。

 優秀賞は「父の手を解いた朝」を書いた東京都足立区在住の峯田泰彦さん。兵庫県加東市在住の阿江美穂さんをはじめ5人が佳作を受賞した。中学生・高校生の作品を対象とした奨励賞には、開智中学校1年生の滝本昇生さんや信愛高校2年生の宮本紗希さんほか5人が選ばれた。

 表彰式では表彰状授与のほか、最優秀作品の朗読、意見聴取員からの講評などが行われた。

 尾花正啓和歌山市長は「作品を通じて体験や思いがよく伝わってきた。これからも素晴らしい作品を創作してほしい」と話す。「有吉さんの文学は今でもたくさんの人に読まれている。何十年たっても共感を得られる人間関係、展開が多くの読者をひきつける。和歌山市としても有吉文庫を知ってもらい、親しんでもらうとともに、有吉さんが愛した和歌山の魅力をもっと発信していければ」とも

 大木さんは「若いころから文章を書くことが好きで、感想文や童話、日記などを書き続けてきた。今回は娘に勧められて応募した。何度書いてもうまく書けず、諦めかけていたが、ある日突然タイトルが浮かんでそこから一気に書き上げた。最優秀賞を受賞できて最高にうれしい」と話す。「有吉先生の作品を改めて読んで、和歌山の言葉が大好きになった。これからもっと感性を磨いて、生活の中にある小さな喜びを見つけていきたい」とも。

 入賞作品は同市ウェブサイトで公開する。

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