ロックバンド「キュウソネコカミ」が5月29日、和歌山県警に特殊詐欺被害防止広報大使に任命された。

2023年の特殊詐欺被害防止広報大使に委嘱式の様子

　同バンドへの委嘱は今回で2度目。6月5日に県警察犯罪抑止総合対策室がSNSで発表した。2023年2月に同大使に就任し、メンバーが特殊詐欺被害防止水際対策のフロアマットを金融機関に贈呈したほか、被害防止を呼びかける動画7本に出演し、動画配信サイトで公開した。そのほか、同バンドのアイコンキャラクター「ネズミくん」が県内各地での防犯啓発活動に取り組んできた。

　同対策室によると、知名度の高い人たちに続けてもらうことで、さらに特殊詐欺防止を浸透させたいと依頼したという。イベントやSNSなどで広報を予定する。専用電話窓口「ちょっと確認電話」のフリーダイヤル「0120-508-878（これはわなや）」を浸透させる狙い。

　和歌山県の特殊詐欺被害は2025年1月から4月末までの認知件数は62件に上り、前年度同時期比でプラス27件。被害額は推定3億3600万円だった。

　岡山貴美憲室長は「『ちょっと確認電話』の相談電話は増えているが、知らずに詐欺被害に遭ってしまう人がいる。さらに浸透させることを期待している。最近は警察官を名乗る電話や国際電話からの特殊詐欺が増えているので、見知らぬ国際電話は出ないでほしい」と呼びかける。

　キュウソネコカミは関西学院大学軽音楽部出身のメンバーが2009（平成21）年に結成した5人組ロックバンド。ボーカル・ギター担当のヤマサキセイヤさんは御坊市出身。ヤマサキさんは「怪しい電話やメール、SNSは特殊詐欺を疑え、和歌山県警の『ちょっと確認電話』で確認を、と呼びかけていきたい」と意気込む。