
和歌山市のデザイン会社「はりまぜデザイン」社長の角田誠さんが9月18日、自身初となる著書「農家のための売る技術100」を「かんき出版」(東京都千代田区)から刊行した。
角田さんは2007(平成19)年、100円ショップ向けの商品デザインを主力事業に同社を設立。数々の商品のデザインを手がけ、2013(平成25)年に農業分野のデザインに事業転換。「農業に売る力を」を合言葉に、ブランディングやマーケティングの視点を取り入れたデザインで、全国650軒以上の農家をサポートしてきた。2020年からはポッドキャスト番組「農業デザイン!アグデザ」の配信を始め、同番組で2021年にグッドデザイン賞を受賞した。
同書は、角田さんが培ってきた、農家が価格競争に陥らず直接販売するためのノウハウを100項目にわたって掲載。ブランディングやマーケティングの考え方から、売れるパッケージデザイン、色やフォントの選び方など、ジャンルごとに100項目を章立てし、必要な時に関連する項目のみを読める事典形式にした。
角田さんは「特定の成功事例の紹介でなく、読者がその日からすぐ使える答えを導くための普遍的な技術や考え方を解説することにこだわった。商売は、自分の顧客は誰でなぜ買うのかを問うことが大切。これまで関わった生産者には、発信するメッセージの全ての主語を顧客・消費者側に置くよう伝えてきた。業種を問わず、役に立つ知識を盛り込んだ」と話す。「作物に真剣に向き合う生産者が『消費者へどう届けるか』という視点を持つことで商品の価値はさらに高まる」とも。
A5判、224ページ。価格は1,870円。