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和歌山県立自然博物館で新種のナマコ展示 今後は生態研究も

すさみ町で発見された新種のナマコ「チオーネ・スサミエンシス」

すさみ町で発見された新種のナマコ「チオーネ・スサミエンシス」

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 和歌山県立自然博物館(海南市船尾、TEL 073-483-1777)で1月20日、昨年12月に新種として発表されたナマコの展示が始まった。

担当飼育員に「萌え!」と紹介されるヒラコウカムリとアオボシヤドカリ

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 新種のナマコは「チオーネ・スサミエンシス(Thyone susamiensis)」。2013年に同館とすさみ町立「エビとカニの水族館」(すさみ町)が共同で行う生物調査で発見され、昨年12月に日本動物学会の英文誌「Species Diversity」に新種として記載された。学名は発見されたすさみ町にちなんで付けられたという。

 同館では4匹を展示。同種は体長約10センチと比較的大きく、口元に10本の枝状の触手があるのが特徴だ。すさみ町のごく浅い海岸に多数生息しているが、日中は砂と石が混じる海底に隠れ潜むため、近年まで見過ごされてきた。夜間に触手を伸ばして水中の有機物を食べると考えられている。詳しい生態はまだ分かっておらず、今後、同館と「エビとカニの水族館」が研究を兼ねて生体展示を行う。

 新種を発見した同館学芸員の山名裕介さんは「和歌山は暖かい黒潮や瀬戸内の冷たい海流が入り交じることで多様なナマコが生息する地。まだまだ新種がいるはず」と話す。「自然豊かな和歌山では、身近な場所にも発見がある。この展示によって、多くの人が自然科学に興味を持つきっかけになれば」とも。

 開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は470円(高校生以下無料)。

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