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和歌山・今福の洋館「郭家住宅」で見学会 陸奥宗光生家の茶室で煎茶会も

広いベランダが特徴の郭家洋館

広いベランダが特徴の郭家洋館

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 和歌山市立西和中学校近くの洋館「郭(かく)家住宅(旧郭家医院)」(和歌山市今福)で2月14日、一般見学会が開催される。主催は和歌山県建築士会(卜半町、TEL 073-423-2562)。

陸奥宗光の生家・伊達家から移築したと言われる茶室

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 江戸時代前期、中国の明から長崎へ移住したという郭家は、医業をなりわいとする家系で、3代目が和歌山に移り住み、4代目から紀州藩の御殿医を務めた。同住宅を建築した郭百輔(ひゃくすけ)も紀州藩の御殿医で、明治維新後は近代西洋医学の普及を目指し、現在の日赤医療センターの前身となる「和歌山医学校兼小病院」の設立に奔走。自宅で開業し、当時普及していなかった西洋医学による治療を行った。

 郭家住宅には、主屋や離れ、診療棟、洋館などがあり、いずれも1997年に国の有形文化財に登録された。今回公開するのは、洋館、診療棟、主屋。洋館部分は1877(明治10)年、医院の待合室兼薬局として建築され、明治初期の様式「ベランダコロニアルスタイル」が採用されている。

 洋館は明治初期の建築で保存状態がよく、当時の史料が整っている点で全国的に見ても希少。背面には平屋で和風の診療棟、数寄屋造りの主屋がある。主屋には煎茶席の茶室があり、陸奥宗光の生家・伊達家から移築したと伝えられている。

 見学会では住宅の案内・解説を行うほか、茶室で煎茶会を開く。茶会は10時30分と14時の2回で、定員は各先着10人。煎茶の提供のみも行う。

 郭家住宅保存の活動に関わる建築史家の西山修司さんは「明治時代の洋館は明治30年~40年代に建てられたものが多い中、これほど古い建物は珍しい。和歌山の文明開化の象徴のような建物。洋館や茶室は見応えがあるので、ぜひ多くの方に見に来てほしい」と呼び掛ける。

 開催時間は10時~16時(最終入場は15時30分)。案内解説は、10時、13時。

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