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和歌山・白浜で「クリフダイビング」世界大会 28メートル断崖から高飛び込み

三段壁に設置した飛び込み台から飛び込む様子

三段壁に設置した飛び込み台から飛び込む様子

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 和歌山・白浜の三段壁で10月15日・16日、高飛び込み世界大会「レッドブル・クリフダイビング・ワールドシリーズ 第8戦 日本大会」が開かれた。主催は飲料メーカーの「レッドブル」。

三段壁に設置された飛び込み台と審査員席

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 同競技は2009年からワールドシリーズを行っており、日本開催は今回が初めて。

 同社マーケティング部の山澤健人さんは「2年前に大会プロジェクトメンバーが同町を視察に訪れ会場候補地の一つとした。自然が作った地形で水温も安定しており、洞窟があるユニークな点が評価され、今年のワールドツアーの会場に決定した」と話す。今年8月には大会スタッフが再び白浜を訪れ、三段壁用に「プラットホーム」と呼ばれる飛び込み台を設計した。

 飛び込みの高さは男子28メートル、女子20メートル。視察に訪れたスポーツ庁長官の鈴木大地さんもプラットホームに上がり、「怖い高さなのによく作ったね。28メートルまで登ったけど、かなり動揺した」と驚いた様子を見せていた。

 晴天に恵まれた2日間。15日には男女ともに1回戦を行い、16日には男子の2・3回戦と決勝、女子の決勝を行い、約7000人の観客が陸や海上から選手たちのダイブを観戦した。

 男子決勝では8人がダイブ。1回戦目からの得点のトータルで競い合い、メキシコ出身のセルヒオ・グスマン選手が合計471点で優勝した。同選手は後ろ4回転を決め、ジャンプの高さ、演技の美しさ、着水で今大会の最高得点を獲得。今シーズン初優勝を飾った。

 グスマン選手は「いつも通りの飛び込みがうまくできたと思う。白浜町全体の盛り上がりを感じた。全てのダイバーを温かく迎えてくれて感謝している。豚骨ラーメンがおいしかった」と笑顔を見せる。

 女子はオーストラリア出身のリアナン・イフランド選手が、決勝で後ろ3回転1回ひねりを披露して優勝。スピード感があり、まっすぐな着水と堂々とした演技が評価され、今シーズン4勝目を飾った。

 静岡県から観戦に来たという30代女性は「私自身、飛び込みの選手として経験があり、日本で開催されることを知って家族と一緒に観に来た。あの高さは死ぬ覚悟を持つくらいじゃないと飛べないと思う。動画で見るのとは違い、ライブでの観戦は迫力があった」と満足した表情を浮かべていた。

 田辺市在住の60代男性は「久しぶりに三段壁に来た。競技のことは知らなかったが、和歌山で世界大会があると聞いて興味が沸いた。観戦している人も多く、街の活性になったのでは。もっと三段壁を多くの人に知ってもらえれば」と話す。

 鈴木長官は「和歌山は山も海も川もあり、スポーツツーリズムに向いていると思う。スポーツ庁としても、文化庁や観光庁と連携をしながら、スポーツ産業の拡大にまい進したい。和歌山は大きな可能性を秘めている」と力を込める。

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