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和歌山のギャラリーで就労継続支援事業所「ポズック」が展示会 チンドンショーの披露も

「ポズック」のチンドン楽団

「ポズック」のチンドン楽団

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 和歌山市紀伊小倉駅近くのギャラリーカフェ「AQUA(アクア)」(和歌山市満屋、TEL 073-463-4640)で6月13日から、アーティスト「ポングリ」と就労継続支援事業所「Po-zkk(ポズック)」の合同展「オチャラカホイ」が開催される。

「ポングリ」の作品

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 ポングリは図画工作人・奥野亮平さんと妻のまみさんで活動するアーティストユニット。亮平さんはポズックの立ち上げメンバーの一人でもある。ポズックは企業などで勤労が困難な障害者に就労機会を提供し能力向上を図る施設。今年で3周年を迎え、就労者数は開設時の6人から現在は15人になった。経営は社会福祉法人「一麦会」。

 同展では、作品と作家一人一人を写真で紹介。作品は絵画、紙製だるま、木工作品、楽器など約70点。作品と共に作品が生まれた過程を紹介するほか、絵画や雑貨品を販売する。

 まみさんは「『おちゃらかほい』はじゃんけんの一種で勝ち負けよりも過程を楽しむゲーム。作品が生まれる過程に目を向けてほしいとタイトルにした。例えば、カラフルな刺しゅうを得意とするメンバーは、最初はアニメが好きすぎて本を手放せなかった。本を片付けてしまうと作業がはかどらなかったので、本を見ながら作業してもらったら、キャラクターの色を見本にして刺しゅうするようになったり、自分専用の立て札があれば落ち着いて作業できるメンバーがいたりと、作品が完成するまでのストーリーが一人一人違う。作品と、それが生まれるコミカルな過程も見てほしい」と話す。

 最終日には1年ほど前から本格的に取り組んでいるチンドンショーも披露する。ポズックのメンバー6人と奏者を合わせた10人編成。県内のイベントのほか、三重県、奈良県、大阪府の商店街やイベントなどの出演依頼が月に数回あるという。

 亮平さんは「みんな、チンドンの練習が好きでショーの前は毎日練習している。練習しても無理なこともあるが、できないことを笑いに変えていく、へんてこでおちゃめなメンバーが持ち味になっている。観客からは『エンターテインメントだ』と評価をいただいている」と話す。「施設の設立当時は、画材やペンなど不自由しないようにと気を配り『やってあげよう』と思いすぎていた。面白い仲間が集まっている。無口だと思っていた人が実は多弁だったり、色鮮やかな絵を描く人に刺しゅうをやってもらったら向いていたようで商品が売り切れたり、仕事がよく分からなくて怒ったり寝たりしていた人はろう引き封筒の製作を始めたことをきっかけにしっかりしたり、私の常識を超えたさまざまな人がいる。心豊かに働ける場所がもっと増えてほしい」とも。

 営業時間は10時~17時。今月18日まで。会期中はポズックのメンバーが順に在廊する。

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