「和歌山ビッグ愛」(和歌山市手平、TEL073-435-5200)9階で6月22日、市民シンポジウム「老舗ブランドって何?~駿河屋問題をみんなで考えよう~」が開催された。主催は「和菓子と文化と和歌山 大好き市民連」。
駿河屋問題を考えるシンポジウムでは、廊下にまで参加者があふれた
同シンポジウムは、5月29日に破産手続きを開始した和菓子店「駿河屋」について、市民有志が集まり意見交換会を開こうと企画されたもの。主催者発表による、この日の来場者数は190人超。収容人数60人の会議室には、立ち見もできないほど多くの人が訪れた。
第1部では、和歌山大学経済学部客員教授の鈴木裕範さんが「紀州、日本の和菓子の歴史と総本家駿河屋」というテーマで講演。駿河屋の歴史や歴代の和菓子を紹介した。「駿河屋の店頭に並ぶ羊羹(ようかん)には、日本の羊羹の歴史がそのまま見えた」と振り返り、「和菓子には物語がある。まずはそれを知ってもらいたかった」と締めくくった。
第2部では、鈴木さんほか、県文化協会副会長の森本光子さん、「諏訪園」店主の永原敏行さん、和歌山社会経済研究所の木下雅夫さん、和歌山放送アナウンサーの中川智美さん、和歌山コミュニティ情報研究所事務局長の岩田誠さんが登壇。それぞれの立場から意見を述べた。
冒頭では「なくなっていいの?駿河屋」という呼び掛けで始まり、再建に成功した老舗の事例が取り上げられた。まちづくりとの関係や、茶道と駿河屋の結びつき、倒産発表後に市民から寄せられたエピソードなどが約1時間30分にわたって語られた。
質疑応答で会場からは「とてもよい勉強会だった」との意見が出る一方、「もう少し具体的な話を聞きたい。再建できるのかどうか」「新会社がもしできたとして、本当にやっていけるのかどうか」と心配の声も多くあがっていた。
シンポジウムの最後には、パネラーが「再生を希望する。みんなで応援しよう」と提言。会場の拍手で賛同が求められ、およそ半数が呼びかけに応え閉幕した。
今後、2回目の開催を調整中という。日程などは未定。