和歌山城敷地内の和歌山公園動物園(和歌山市一番丁)で8月1日、ツキノワグマのベニーに氷のプレゼントが贈られた。
ツキノワグマは東アジアを中心に広く分布しているネコ目クマ科の動物で、日本では本州と四国に生息している。年々その数は減少しており、国際希少動物種としてワシントン条約付属書1に掲載されている。
ベニーは1994年に来園した雌で、推定年齢20歳。体長は約1.4メートル、体重は約100キロ。同園では昨年から、高齢のベニーに連日の暑さを乗り切ってもらうため「氷のプレゼント」を行っている。
昨年はバナナや蜂蜜を入れた氷を与えたが、今年は2日前から準備した氷を半分に切り、スイカを挟んだ「氷のスイカケーキ」を用意。氷とスイカで約6キロになる。飼育員の前嶋弘樹さんは「先日、試しにスイカをまるごと与えたら、皮だけ残してきれいに食べていたので、スイカが好きなのだと思った。昨年とは少し趣向を変え、季節感を味わってもらおうとスイカケーキにしてみた」と話す。「来年は氷が食べやすいようにかき氷にしてプレゼントしたい」とも。
気象庁によると、当日の日中最高気温は32.3度。飼育員から氷を贈られたベニーは匂いを嗅いで様子を窺った後、氷を舐(な)めたりスイカをかじったりする様子を見せた。
近所に住む竹山恵美さん親子は「市報で今日のイベントを知って見に来た。おいしそうに食べていてよかった。暑い夏を少しでも涼しく過ごしてほしい」と笑顔でベニーを見守っていた。
開園時間は9時~17時。入園無料。