フェアリーペンギンのひな4羽が6月23日~27日にかけて、アドベンチャーワールド(白浜町堅田)で誕生した。
葛西臨海水族園から移動してきた受精卵をふ卵器で世話をする飼育員(2022年6月10日撮影)
同園によると、オーストラリア南部やニュージーランドなどに生息するフェアリーペンギンは、18種いるペンギンの中で最小種といい、体長は30センチ、体重は1.5キロほど。別名はリトルペンギンなど。
日本国内でのフェアリーペンギン飼育は、2021年末時点で同園を含め4施設で42羽。国内の個体だけで遺伝的多様性維持が難しく、飼育施設は共同で同ペンギンの遺伝的多様性保全を目標に、海外から受精卵移動を計画している。今回ふ化した受精卵は、海外からの移動を想定し、葛西臨海水族園からアドベンチャーワールドに14時間かけて運んだ。
アドベンチャーワールドでは2015(平成27)年からフェアリーペンギンの飼育を始め、現在は雄2羽、雌2羽、ひな4羽の計8羽を飼育している。葛西臨海水族園からの受精卵搬入は今年で2回目。昨年は卵3個を運び、1羽が成鳥になった。今年は4個全てがふ化した。出生時の体重は約32グラム~40グラムで、7月20日現在、約380グラム~530グラムまで成長した。
フェアリーペンギン飼育担当スタッフの山内博勝さんは「今年は移動中の温度・湿度管理はもちろん、ふ卵器の温度・湿度も見直した。4羽が無事に誕生してうれしい。今後は葛西臨海水族園のアドバイスや昨年誕生したペンギンの成長記録を追いながらしっかり育てていく。あと2カ月程度で成鳥の羽に生え替わり、飼育スタッフが一緒に泳ぐ練習をするようになる。公式SNSで成長の様子を配信するので見守ってほしい。当園ではまだフェアリーペンギンの繁殖実績はないが、今後は繁殖に向けても取り組んでいきたい」と話す。