書店「かみつれ文庫」(和歌山市万町)が和歌山市役所近くの「有喜商店」本店跡ビルにオープンして1カ月がたった。
「有喜商店」本店跡ビルにオープンした「かみつれ文庫」店内の様子
靴を脱いで入店する広さ3坪の店舗に、店主の川西郁香さんが「寝る前に読める文章」をイメージして選書したエッセーや詩集、写真集などを取りそろえる。自費出版書籍も取り扱う。店名は、川西さんが中学時代に小説で知った「カモミール」の和名にちなんだ。花言葉は「苦難の中の力」「あなたを癒やす」で、川西さんの大切な言葉という。
山口県出身の川西さんは、大学在学中に強迫性障害を患い、好きだった読書も困難になってしまったという。「自分のことを誰も知らない場所に住みたい」と、当時の交際相手の出身地だった和歌山市に移住し、結婚した。リハビリを兼ね、古書店「陽気にゆこう」(吉田)に通い、在庫管理などを手伝うなど書店経営を経験した。「有喜商店」本店跡ビルの雑貨店のトークイベントに参加したことをきっかけに自分の好きなものを伝える店を作りたいと開業した。
川西さんは「関西では当店でしか扱っていない書籍もある。靴を脱いでもらうことで床に座れるので、ゆっくりと自分の時間を過ごしてもらえれば。今後は絵本など、本の種類を増やしていきたい」と話す。
営業時間は13時~18時30分。火曜、日曜定休。