
和歌山市が和歌山城のプロモーション動画を公開し、3月10日で1カ月がたった。
動画は約2分の本編と約30秒の短編を用意。紅葉が見頃の和歌山城をドローンで上空から撮影した映像や茶室「紅松庵」で着物姿の女性が抹茶を飲む様子などを撮影した。同市和歌山城整備企画課に申請することで二次利用できる。
同課によると、和歌山城のプロモーション動画を制作するのは今回が初めてという。昨年、近畿大学経済学部の協力で行った調査で、和歌山城を訪れた外国人観光客のうち、東アジア圏を中心とした個人旅行者の割合が多数を占め、多くがSNSや動画サイト等の情報を参考に旅行先を決めていることが分かり、動画制作に至ったという。
和歌山城は1585(天正13)年に豊臣秀吉の命で桑山家が築城。桑山家、浅野家の城主を経て1619(元和5)年に徳川頼宣が55万5千石を領して入城、紀州徳川家の居城となった。城内には、連立式天守や斜めに架かる御橋廊下、内堀を大きな池に見立てた池泉回遊式の西之丸庭園、茶室などを備える。
和歌山城整備企画課の柳雄介さんは「城の美しさや撮影アングルなどが好評。海外の人にも分かりやすいよう、『徳川御三家』など、歴史的な解説ではなく、視覚的に魅力を伝えている。万博を控え、外国人向けのツアー関係者から問い合わせもあり、手応えを感じている。ドローンで上空から見る連立天守の美しさや茶室で抹茶を飲む体験など、改めて和歌山城の魅力を再発見するきっかけになれば」と話す。