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海南の酒造会社で梅酒の仕込み始まる タンク36基、300トンを製造

南高梅を手にする「梅酒杜氏(とうじ)」の藤原さん

南高梅を手にする「梅酒杜氏(とうじ)」の藤原さん

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 今年の梅酒の仕込みが「梅の日」の6月6日、酒造会社「中野BC」(海南市藤白、TEL 073-482-1234)で始まった。

みなべ町などから仕入れる県産「南高梅」

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 同社では、和歌山県産「南高梅」の実を、醸造アルコールと砂糖、水を入れた高さ4.2メートル、直径2.6メートルのほうろう製タンクで漬ける。漬け込み作業は6月末ごろまで約1カ月間続き、今年は約300トンのウメを使い約1万8000リットルタンク36基分を仕込むという。

 初日は、みなべ町から仕入れた南高梅8.5トンを水洗いし、梅酒造りを統括する「梅酒杜氏(とうじ)」の藤原弘彰さんを筆頭に職人9人がタンクに入れた。この日に仕込んだ梅酒は11月下旬に「香る南高NOUVEAU(ヌーボー)」として出荷する。

 藤原さんによると、今年は4月の3度の「降ひょう」により、ウメの実が傷ついたり落下したりして秀品率が低下。例年の6割程度の収穫量で、昨年に続き2年連続の不作というが、同社では例年どおりの量の南高梅を確保する予定という。

  同社は1979(昭和54)年に梅酒製造を開始。昨年、新梅酒ブランド「UMESHUfor」を立ち上げ、ラベルを一新し、一部商品は味も変更した。コンセプトは「あなたにぴったりの一本と出会える」。夏に向け、さまざまな梅酒を使い「プラムリキュールハイボール(ぷらりハイ)」など、日常のシーンに合わせた飲み方を提案する。

 藤原さんは「ひょう害がありながらも、その難を逃れた貴重な青梅は、実太り良好で香りもよい。しっかりとエキスを抽出して皆さんの期待に応えられるいい梅酒を造りたい」と意気込む。「梅酒を食前に飲むと食欲が湧いてくる。原酒をベースにかんきつ類の果汁をブレンドした梅酒など、食事にも合う味など約30種があるので、好みの梅酒を見つけてもらえたら」とも。

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