企画展「田中善蔵 追廻(おいまわし)門外に散った紀州藩の改革者」が2月3日、和歌山城公園内の「わかやま歴史館」(和歌山市一番丁)で始まった。
従来知られている川合小梅作の田中善蔵肖像画(左)と新たに発見された田中善蔵肖像画
善蔵は、儒学者で奥右筆(おくゆうひつ=藩主のそば近くで仕え文書作成・管理などを行う役)などを務めた紀州藩士。2度にわたる幕長戦争や紀州藩船と坂本龍馬の乗る船との衝突事故による賠償金の支払いで財政難に見舞われた藩の政治改革を担った。同じく藩士の津田出と共に改革に取り組み、財政再建と軍備近代化のため、藩士の大幅な給与削減を推進したため、多くの藩士と対立。1867年11月12日に和歌山城追廻門外で反対派勢力に暗殺されたとされている。
2024年、善蔵の子孫が善蔵の肖像画を市に寄贈。和歌山城整備企画課の学芸員・伊津見孝明さんによると、肖像画は幕末~明治に和歌山で活動した画家で「小梅日記」で知られる川合小梅の作品でこれまでの記録にない絵だという。
同展では、この肖像画をはじめ、新たに寄贈された善蔵関係の史料やパネルなど18点を展示。暗殺事件の舞台となった追廻門や善蔵と共に改革に取り組んだ津田も紹介する。
伊津見さんは「京都や江戸などで幕末の動乱があったことは知られているが、和歌山城のすぐ近くでも血が流れる事件があり、激動の時代があった。新しい肖像画が見つかったことをきっかけに、紀州藩の改革に尽力し、命を落とした田中善蔵についてたくさんの人に知ってほしい」と話す。
開館時間は9時~17時30分(入館は17時まで)。入館料は100円(中学生以下無料)。3月16日まで。