ワイン醸造所「紀乃國(きのくに)わいん工房」(海南市下津町)のワイン「神宿り」「巌乃舎(いわのや)」の販売が3月1日、和歌山県内の酒販店などで始まった。
和歌山県内のワイナリーで醸造責任者を経て、2023年10月に酒類製造免許の交付を受けた南口義彦さんが2024年1月から営業している同醸造所。築約100年の元みかん農家の古民家をワイン工房に改装した。醸造2期目を迎え、山形県や新潟県産のブドウで仕込んだ新酒6種、同醸造所の畑で収穫したブドウで仕込んだ新酒など8種を、1期の2倍量となる約6000本を製造した。
他府県産のブドウを使ったシリーズは、「八百万神」から「神宿り」(750ミリリットル=3,630円)に今期から名称を変更。南口さんは「2018(平成30)年に立神社(下津町引尾)を訪れた際に強く心を動かされ、この地の神に呼ばれたと感じた体験から名付けた」と話す。ラベルデザインは山の尾根とそこに宿る土地の神々を女性の髪に見立てて表現した。
今期は同醸造所の畑で収穫したブドウのみで仕込んだ「巌乃舎」(750ミリリットル=5,500円)を出荷。南口さんは「威風堂々とただそこにある、岩のようにぶれない思いでワインを造る決意を名前に込めた」と話す。
南口さんは「ワイン造りは8割が農業。肥料や水を極力控え、果実に凝縮感のあるブドウを育てる。醸造では人工酵母や清澄剤を使わず、時間をかけて上澄みをすくうなど、目に見えない工程も丁寧に行うことを心がけている。スッと飲める優しい口当たりに、ブドウのポテンシャルを感じられる。クラフトワインとして楽しんでほしい」と話す。「今後、古民家を改修して簡易宿泊施設を設け、地域の人が気軽に立ち寄ったり、若い人がカフェを開いたりする拠点にしていきたい」とも。
和歌山市・岩出市・海南市の酒販店で販売。同醸造所でも販売(要予約、巌乃舎は完売)する。