和歌山・高野山で4月2日、真言宗の開祖・弘法大師空海が修行場を開いてから1200年を記念した大法会(だいほうえ)が始まった。主催は総本山金剛峯寺(和歌山県伊都郡高野町、TEL 0736-56-1200)。
大法会は寺内5カ所でお経を上げる五所誦経(ごしょずきょう)を皮切りに、 50日間にわたって開かれる。初日は172年ぶりに再建された「壇上伽藍(だんじょうがらん)」の中門のくぐり初めを祝う「中門落慶大曼荼羅供(ちゅうもんらっけいだいまんだらく)」が行われた。
ベンガラの鮮やかな朱色に塗られた中門は高さ16メートルの木製。長い歴史の中で焼失と再建を繰り返し、現在は1843 年に次ぐ8代目となる。
地固め式には横綱の白鵬と日馬富士が登場した。行司と露払い(先導役の力士)に導かれ、両横綱は順番に門の前で土俵入りを披露。力強く四股を踏むと、早朝から集まった大勢の見物客から拍手と歓声が上がった。
大阪泉北ニュータウンから訪れた60代女性は「後ろ姿しか見られなかったが、すごく感激した」と興奮気味に話す。枚方から来た夫婦は「土俵入りの前に、お坊さんたちが一斉に読み上げたお経が圧巻。高野山の魅力を感じた」と笑顔を見せる。宿坊に前泊したという岐阜市在住の夫婦は「高野山は2回目。仏教を学んでいるので、この機会にもう一度来たかった。同じ宿坊だった外国人が日本の習わしに従ってお風呂に入ったり、食事を楽しんだりする姿を見て和んだ。精進料理もすごくおいしかった」と、特別な一日を振り返った。
期間中は高野山の各地で法会や特別拝観が行われる。5月21日まで。