データ共有ウェブサービス「GitHub(ギットハブ)」共同創業者のスコット・チャコンさんが12月17日、和歌山県庁(和歌山市小松原1)を表敬訪問した。
仁坂県知事に送られた「GitHub」公式マスコットキャラクター
同サービスは世界中のプログラマーやITエンジニアがソースコードやデザインデータなどを保存・公開できるウェブサービスで、「技術者向けのSNS」とも呼ばれている。
和歌山県は2月、全国の自治体で初めて公式アカウントを開設し、公共施設情報、統計データ、避難所情報など県が持つ情報を二次利用可能なオープンデータとして公開してきた。
スコットさんは「和歌山県の事例は多くの人たちの啓発に役立っている」と話すと、仁坂吉伸和歌山県知事は「もともと和歌山は行政の情報化に力を入れている。これからも情報を発信していくので、もっと多くの人に活用してもらいたい」と笑顔で応えた。
スコットさんは「いろいろな人をつなげ、よりよいソフトウエアやデータを作っていくことがギットハブの目的」と話し、代表的な同サービスの活用事例として、米フィラデルフィア市がインフルエンザの予防接種が受けられる場所をまとめたデータを公開し、ほかの自治体がその仕様を導入したことを挙げた。「同じ課題を持つ自治体が前例のフォーマットを使うことができれば、市民へ情報が出るスピードが速くなる。無駄な開発費用もかからない」とも。
仁坂知事は「もっと防災などの分野でデータの公開に力を入れていきたいが、この取り組みや公開データについてどうすれば広く知ってもらえるか」との問いに、スコットさんは「開発コンテストを行うと多くのユーザーに知ってもらえる。私たちもサポートしていきたい」と意欲を見せた。