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和歌山・田辺工業高校の生徒が「パトレイバー」製作 地元警察署へ設置を打診

きのくにロボットフェスタで初披露したイングラム

きのくにロボットフェスタで初披露したイングラム

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 和歌山県立田辺工業高校(田辺市あけぼの)機械科の生徒たちが現在、文化祭のために製作したロボットオブジェ「パトレイバー」の展示場所として、田辺警察署に照準を合わせている。

製作したロボットオブジェと記念撮影する田辺工業高校の皆さん

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 機械科3年A組の生徒7人が中心となり製作した同オブジェは、漫画「機動警察パトレイバー」に登場する「イングラム AV-98」を実体化した物。同漫画は1980年代からアニメや小説などとメディアミックスで展開し、根強いファンを持つことで知られる。

 舞台は人型ロボット「レイバー」が登場する近未来。警察はレイバーを使った犯罪に対抗するために警察用レイバー「パトレイバー」を導入。コミカルな日常とシリアスな現実を織り交ぜながらストーリーが展開する。作中のイングラムは8メートルほどの大きさで、胸部に人が搭乗して操作する。

 生徒たちが作ったパトレイバーは鉄製で、高さ2.5メートル、使用パーツは約130個。製作指導した高井正人教諭は「パトレイバーは2014年に実写映画化され、再び注目を集めていたため、生徒たちに作ってみてはどうかと提案した」と話す。

 各パーツは完成予定の大きさに拡大したペーパークラフトの型紙を作り、鉄板を切断して部品を一つ一つ加工した。仕上げでは成型・溶接を行い、組み上げたという。2学期半ばから作業は本格化し、文化祭への展示を目指して連日夜までの作業が続いたという。

 生徒によると、文化祭前夜、足の部品の欠品や組み立てミスが発覚し、開催当日の早朝から展示を目指して作業を懸命に行ったものの、文化祭終了を知らせる校内放送でようやく完成となり、ギリギリ間に合わなかったという。

 東郷将季くんは「溶接作業で鉄板が穴だらけになり、終わりの見えない穴埋め補修作業が大変だった」と振り返る。阪口俊平くんは「機械や工具は初めて使う物もあって、苦労したがいい経験になった。今まで作ってきたもので一番すごい」と胸を張る。

 イングラムは昨年12月20日に御坊市立体育館で開かれた「きのくにロボットフェスティバル2015」で初披露した。高井教諭は「イングラムの完成度が高く、来場者にはとても楽しんでもらえたようだ。生徒たちが卒業する3月までに、田辺警察署での常設展示が実現するよう調整に全力を尽くしたい」と話す。

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