和歌山市新通の宿泊施設「Guesthouse RICO(ゲストハウス リコ)」(和歌山市新通5)と南海和歌山市駅近くの旧ドコモショップビル(西蔵前)で3月25日~27日、「第4回リノベーションスクール@和歌山」が開催された。主催は和歌山市、企画・運営はリノベリング(東京都)。
プロジェクトメンバーの祖母の愛用品だったというたんすで作った日本酒ディスプレー
遊休不動産の活用を学ぶ同スクールは今回で4回目。初の試みとして、参加者が施工に挑戦する「セルフリノベーション」コースのみで開講した。過去3回のスクールで対象となった2つの物件で、17人の受講者が2グループに分かれてDIYに挑戦した。
今年1月9日にオープンした「ゲストハウス リコ」が入るユタカビルは、宿泊客と地域住民が交流できる屋上庭園を計画。受講者はプランターなどのガーデニンググッズやガーデンハウスを作った。
「サイバーリンクス」(和歌山市紀三井寺)の創業地、旧ドコモショップビルでは、市堀川沿いの立地を生かした日本酒バー「水辺座」が、今年5月の開店を目指して準備を進めている。使わなくなった築20年以上の民家の欄間(らんま)や古い桐だんすなどの家具を再利用し、日本酒ディスプレー用の棚やバーカウンターを完成させた。
講師を務めた鳥取家守舎の高藤宏夫さんは「DIY手法でワークショップを開けば、お店と直接関わりを持ったファンが生まれる。自分も参加することで思い入れを感じられる。このプロセスが重要だ。3日間では100パーセント納得いく物はできないが、あえて余白を残すことは手作りの味にもなる。今回の経験を生かして今後もDIYに取り組んでほしい」と話す。
受講生で日本酒バーグループの板東高功さんは「DIYには不思議な魅力があった。目標に向かって必死に取り組むことで、ほかの受講者と親しくなれた。メンバーには空き家を相続した人もいる。この経験を生かして空き家を活用できれば」と意欲を見せる。