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和歌山・島精機社長夫人、故・島和代さんの評伝本刊行 朝ドラ化を目標に

著者の梶山寿子さん

著者の梶山寿子さん

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 全国の書店で11月17日、島精機製作所(和歌山市坂田)の社長夫人、故・島和代さんの評伝本「紀州のエジソンの女房 島精機を支えた肝っ玉母さん・島和代物語」が刊行された。発行元は中央公論新社(東京都千代田区)。

作品の表紙にはニットで編まれた和代さんの写真を使用

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 島精機製作所は、社長の島正博さんが1961(昭和36)年に、知人らと立ち上げた「三伸精機」が前身となり、翌1962(同37)年に和歌山市手平に設立された。手袋の半自動編み機製造・販売から始まり、1967(同42)年には世界初の全自動衿(えり)編み機を開発、その後もニット織り機を中心に機械の発明を続けている。1995年には無縫製ニット横編み機「ホールガメント」を開発し、600個以上の特許を取得している。

 和代さんは1959(同34)年に正博さんと結婚。創業時から同社を支えた。1987(同62)年に関連会社「和島興産」の社長に就任し、ぶらくり丁にある複合商業施設「フォルテワジマ」の開業にも携わった。ラジオパーソナリティーとしても活躍したが、2013年に75歳で死去した。

 同書著者の梶山寿子さんは大阪出身のノンフィクション作家。梶山さんは「出版社から『島和代さんの本を書いてみないか』と声を掛けていただいた。その時点では和代さんのことを知らなかったが、ラジオ番組の録音などを聞き、どんな人物なのか興味を持った」と話す。

 「娘さんへの取材などを通じて、和代さんが体験したたくさんの苦労や苦悩を知った。まるで朝ドラの主人公のような人生。昭和の肝っ玉母ちゃんの子育て奮闘記、近年の和歌山の街の物語など、さまざまな観点から楽しんでいただける本になった。島精機やフォルテワジマのことをよく知らない人にはぜひ読んでほしい。きっと驚きがある」と梶山さん。「本当に朝ドラになればうれしい」とも。

 四六判272ページで、価格は1,620円。

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