那智勝浦町の体育文化会館(東牟婁郡那智勝浦町大字天満字木戸浦)に1万3300体以上のひな人形が並び、観光客や地域住民が訪れている。
同イベントは2011年の紀伊半島水害の復興を願い、翌年から始まった。これらの人形は同じ「勝浦」の地名の徳島県勝浦町や千葉県勝浦市、「紀州海南ひなめぐり」を開催する海南市、ひな流しを行う淡嶋神社(和歌山市加太)などから譲り受けたもの。
同町には世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野三山の一つ「熊野那智大社」(那智山)があり、「那智の滝」は同大社の別宮「飛瀧(ひろう)神社」のご神体として祭られている。那智の滝は落差133メートルで日本一を誇る。これにちなんでひな人形も1万3300体展示を目標に始まったという。
実行委員の中西太志さんは「回を重ねるたびに多くの人が訪れ『うちのひな人形も飾ってほしい』と譲り受け、現在は1万3300体を超える人形を展示している。2階席からの眺めは圧巻だ。設置作業は全て地域住民がボランティアで駆け付けてくれる。大変な作業だが、皆で顔を合わせて作業すると自然と笑い声も聞こえてきてにぎやかになる」とほほ笑む。
「ビッグひな壇をきっかけに那智勝浦町に立ち寄ってほしい。那智大社、那智の滝はもちろん、名物の生マグロも味わってもらえたら。最終日の5日には屋台村やダンスステージ、恒例の餅まきもあるので足を運んでほしい」と呼び掛ける。
開催時間は9時~17時。3月5日まで。