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和歌山・紀三井寺で初の「福開き速駈詣り」 112人が210段を駆け上がる

本堂へつづく210段の石段を駆け上がる参加者

本堂へつづく210段の石段を駆け上がる参加者

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 救世観音宗(ぐぜかんのんしゅう)総本山の「紀三井寺」(和歌山市紀三井寺)で1月8日、「福開き速駈詣(はやがけまい)り」が初めて開催された。汗濁大学アスリートクラブと同寺の共催。

巨大しゃもじを手渡す地元出身の元オリンピック選手・青戸慎司さん

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 同クラブは2011年11月に設立したアマチュアスポーツチーム。県内のスポーツ愛好家約50人が所属し、週2回ペースで和歌山城や和歌山マリーナシティ周辺を走る定期練習会を行っている。

 「速駈詣り」は一年の無事を願い、新たな決意をささげる参拝で、楼門から本堂まで続く石階段「結縁(けちえん)坂」を2人ずつ駆け上がり、速駈証を受け取り本堂で参拝する。参拝後は寺務所で当日限定の御朱印が授与される。

 当日は県内外から20~70代の男女112人が参加し、231段ある石階段のうち、楼門の先から最上段までの210段を駆け上がりタイムを競った。2人ずつ並んだ参加者はスタートの合図が鳴ると、雨にぬれた石段に気を付けながらも勢いよく駆け上がった。階段途中で見守る人たちからは「頑張れ」「もうちょっと、ラストスパート」「ここから、ここから」などの声援や拍手が上がった。

 一番速く駆け上がった男女はそれぞれ「福結び速駈王」「福結び速駈姫」として、初午(はつうま)や千日詣(まいり)などの年中行事に参加するという。

 初代「福結び速駈王」は27秒49で駆け上がった京都産業大学職員で陸上選手の佐々木竜一さん。佐々木さんは「昨年『JR京都駅ビル大階段駈(か)け上がり大会』に一緒に出たチームメイトに誘われ参加した。出るからには優勝を狙っていたのでうれしい。最後の60段で疲れてしまったが、最後まで走り切れればまだタイムを縮めることができそうだ。来年は記録更新したい」と話す。

 「福結び速駈姫」となった坂口多加代さんは「歩いて登ったことはあるが、走って登ったのは今回が初めて。最後の60段は足が痛い、重いを通り越してまったくの別物だった。階段を登る練習をして来年も参加したい」と笑顔を見せた。

 ゲストとして和歌山市出身でオリンピック出場経験もある陸上選手の青戸慎司さんも参加。青戸さんは中学時代から同石段でトレーニングを行い、最速記録21秒9を持つ。特設ステージで速駈王と速駈姫をたたえた。 

 クラブ会長の平川太一さんは「長い石段は参拝者にとっては大変だが、地元の中高生もトレーニング場所にしている。アスリートには、はや駆けの聖地になっているので紀三井寺で開催したかった。毎年成人の日に開催して根付かせ、恒例行事になるよう盛り上げたい」と意欲をみせた。

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