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和歌山で「第5回リノべスクール」 初の2コース展開、41人が都市再生を学ぶ

会場となるミートビル屋上に集まるスクール生

会場となるミートビル屋上に集まるスクール生

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 和歌山市役所近くの「ミートビル」(和歌山市卜半町)で11月13日、「第5回リノベーションスクール@Wakayama」の最終プレゼンテーションが行われた。主催は和歌山市、企画・運営は「リノベリング」(東京都)。

地下1階の食肉保管用冷蔵庫を活用した店舗正面

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 11月11日から3日間にわたり開いた同講座。今回は初の試みとして、「事業計画コース」「セルフリノベーションコース」の2コースに分け、41人の参加者が遊休不動産を活用した都市再生手法を実践形式で学んだ。最終プレゼンは一般公開し、市民も傍聴する中、不動産オーナーに計画を発表した。

 「セルフリノベーションコース」は14人が受講。対象物件は食肉事業組合など5つの精肉事業者が入居し「食肉会館」として使われていたミートビル。「和歌山の肉の聖地」をコンセプトにした焼き肉店を施工した。ユニットマスターの指導を受け、1階の店舗正面と店内の壁塗装、2階客席の床貼りなどを行った。店舗正面玄関には地下1階にあった肉保管用冷蔵庫の金属製扉を再利用するなど、物件の歴史を生かした。そのほか店舗用の椅子など家具も製作した。

 「事業計画コース」は27人が3つのユニット(グループ)に分かれて受講。ワークショップ形式で遊休不動産を活用した事業計画案作成に取り組んだ。3日間で対象物件の見学、ユニットマスターの寺脇加恵さん、林厚見さんによるライブアクト(勉強会)を受講し、事業計画を策定した。

 ユニットAはぶらくり丁築地通りアーケードの「パソコンショップ跡」
(元寺町)1階に女性と子どもをメインターゲットにした飲食店、2階は外国人観光客に対応したゲストハウスを提案。真田堀川を挟んだアーケード全体の活用を視野に入れ、ほか2軒の物件も改修し「コミュニティーダイニング」へ構想を広げた。

 ユニットBは北の新地柳通りの「いずいちビル」(吉田)に1階カフェスペース、2階「チャレンジスペース」、3階をシェアハウスにする案を発表した。育児中の女性をメインターゲットに新しいことに挑戦する、住居一体型の施設を提案した。

 ユニットCは城北小学校近くの「将棋会館跡」(西ノ店)を、日中は学校帰りの子どもたちが勉強する学童施設、夕方は高齢者が子どもに将棋を教える交流スペース、夜はサラリーマンがボードゲームと飲食を楽しむゲームバーと、3つの顔を持ち、昼と夜で異なるグループが重なり合う新しいコミュニティースペースを提案した。

 スクールマスターでリノベリング社長の嶋田洋平さんは「これまで4回のスクールを経て思うのは、和歌山は事業化案件が多い地域。実際にリノベーションした物件に触れることで、自分たちの考えることが将来実現できるというモチベーションにつながる」と話す。

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