一般社団法人しろにし(本社:和歌山県有田川町、代表理事:楠部睦美)では、今夏以降、過疎に苦しむ地域を救う新たな取り組み“地域維持レスキュー”(商標登録出願中)をスタートします。
2023年、“ぶどう山椒収穫レスキュー”を実施
「山椒が近年にない豊作で採りきれないかもしれない。このままでは樹勢が弱ってしまう」
地域貢献を旗頭として2022年に誕生した弊社しろにしは、翌2023年春、拠点となる廃校活用施設「有田川町移住就業支援拠点しろにし」が完成し、その活動がスタートしたばかりのことでした。
「ここで動かなければ弊社の存在する意義がない……とにかくやってみよう」
そこで、当施設にご宿泊いただいたお客さまを山椒畑まで送迎し、朝から夕方まで援農ボランティアに携わっていただくパッケージ“ぶどう山椒収穫レスキュー”を行いました。すでに収穫作業も後半を迎えており急遽募集した企画でしたが、スタッフの“繋がり”も功を奏しのべ30名の方にご参加いただきました(翌2024年には首都圏や京阪神からのべ80名が参加)。企画前は「こんな真夏の暑い時期に、しかも無償で手伝ってくれる神様みたいな人なんておるか!?」といった農家さんの声も聞こえてきましたが(弊社も半信半疑でしたので当然です)、終わってみれば、受入農家も参加者もお互いに笑顔になれる企画となりました。
ぶどう山椒発祥の地、遠井地区での収穫作業
困りごとは農繁期の人手不足だけではない
「集落の草刈りをやろうと思っても、ここには3人しかいない」
“レスキュー”の受入農家さんと話をしていると、そんな声が漏れ聞こえてきました。これまで「援農」や「移住」といった、いわば「外から目線」を軸に考えていましたが、その時もっと大切なことに気づくことになります。
「いまここにいる人が、これからも楽しく暮らせるようにすることが先決」
未だ見ぬ移住者に頼る前に、まず自分たちの力で考えやってみる。人材が足りないのであれば、他所から来てもらう。自分たちが暮らす集落の定住策にいわゆる関係人口の手を借りる…そんな取り組みがあってこそ集落が活気づき、「もっとこの地に関わってみたい」と集落に興味が湧く人が増え、ひいては2地域居住や移住に繋がります。これが弊社の考える“地域維持レスキュー”の原点です。
ぶどう山椒収穫レスキューには多くの学生も参加
道普請、空き家、参道整備、祭りの伝承…困りごとは数知れず
地域の困りごとは、集落の草刈り・道普請だけではありません。消えつつある江戸時代の旧街道や弘法大師空海ゆかりの地、増え続ける空き家や耕作放棄地、獣害対策、数百年にもわたり続けられてきたお堂やお祭りなど。「これ以上は続けられない」…人口減少と高齢化によるそんな声が、あちらこちらから聞こえてきます。
そこで弊社では、集落の草刈りや清掃活動、生活道や参道の整備などの道普請、有形・無形の史跡・文化の伝承、エリアごとの特性に応じた空き家・空き店舗のお片付けに対して、関係人口の力をお借りした地域の再生・定住に繋げる“地域維持レスキュー”を今夏以降展開させていきます。
7月1日スタートのぶどう山椒収穫レスキューを皮切りに
“地域維持レスキュー”を構成するメインコンテンツ、3期目となる“ぶどう山椒収穫レスキュー”を今夏も開催します。開催時期は7月1日(火)から8月9日(土)までの40日間で、参加費は1泊3食付きで9,000円~となっています。山椒農家さんで本番を迎えた収穫作業をお手伝いいただきながら、大自然の中での没入感を味わっていただきたいと思います。また、作業が終わった後は、ぜひ移転新築オープンした「歴史ロマンの湯 しみず温泉」で汗を流してください。
歴史ロマンの湯 しみず温泉
また、これを皮切りに秋から冬にかけて、その他のコンテンツである“道普請レスキュー”や“文化継承レスキュー”、“空き家片付けレスキュー”を開催します。現時点で日程がほぼ固まっているのが、12月に開催を予定している文化継承“萱刈りレスキュー”です。
雨錫寺阿弥陀堂
<雨錫寺阿弥陀堂修復> 萱刈りレスキューを企画・実施
高野山の麓、“歴史の隠れ里”とも言われる有田川町杉野原地区で、古来よりこの地に暮らす先人たちが守ってきた国指定重要文化財、高野山真言宗 宝雨山慈雲院 雨錫寺(うじゃくじ)阿弥陀堂。
この雨錫寺阿弥陀堂を舞台に、かつては稲作の生産過程を模倣的に演じることでその年の五穀豊穣を祈願する御田舞(おんだのまい)が毎年奉納されていました。しかし、ここは有田川町の中でも最奥の山間地。2018年2月11日、過疎と高齢化による担い手不足により、伝統ある御田舞はおよそ600年の歴史に幕を閉じてしまいました。
惜しまれつつも途絶えてしまった杉野原の御田の舞。数百年にわたり、集落の人々が数々の唄と舞を披露した舞台、阿弥陀堂。その萱葺き屋根がこのたび修復される運びとなりました。しかし、知らない土地で育った萱ばかりを使うのではなく、この土地に近い場所で刈り取られた萱を少しでも使いたい。そして、後世に伝えたい。
弘法大師坐像(雨錫寺所蔵)
そこで弊社では、地元・杉野原地区のみなさんや有田川町役場と共に、“萱刈りレスキュー”として、有田川町楠本地区や生石地区の山頂に広がる生石高原のススキを活用できないかと考えました。しかしそのためには、大量の萱と大勢の人の力が必要となります。
開催は12月上旬を予定しています。ぜひ、みなさんの力を貸してください。
地域を知り楽しむ“遊び暮らし体験”を並行して開催
昨年11月、有田川ならではの遊びや生活の一端を知ってほしいという想いから、試行的に“遊び暮らし体験”として1泊2日で楽しんでいただきました。有田川でのモクズガニや落ち鮎漁、ぶどう山椒の石臼挽き、みかん狩りなど、体験メニューは盛りだくさん。初めての企画ということもあり不安要素も盛りだくさんでしたが、予想以上の好評をいただきました。
そこで、“地域維持レスキュー”に加え、並行して“遊び暮らし体験”を組み合わせることで、より多くの方に、地域維持活動に関わりながら楽しんでいただき、地域を知っていただきたいと思っています。
6月6日(金)、大阪市十三にてトークイベントを開催します!
昨年6月15日(土)と10月5日(土)の2回にわたり、大阪京町堀・アートアンドクラフトさまにて開催したトークイベント。有田川町を飛び出し、弊社として初めて開催した県外でのイベントでしたが、おかげさまで大好評のうちに終えることができました。
今回のイベント会場は、4月に大阪・十三にオープンしたばかりの「Nomcraftタップルーム十三」。Nomcraft Brewingさんといえば、有田川町の廃園となった保育所をリノベーションし、有田川の綺麗な水を活かして2度も日本一に輝いたクラフトビール醸造所。そんな大注目のブリュワリーが新たに展開する店舗をお借りすることができました。
今回のトークイベントでは、そんな有田川町にまつわる
・クラフトビール醸造に取り組む若手移住者
・山椒の魅力にみせられて産地振興に力を注ぐ飲料メーカーの企業人
・ぶどう山椒の生産農家でもありつつ地域の伝承を語り継ぐ方
・イベントをきっかけに有田川町を何度もリピートするようになった方
以上4名のゲストをお迎えしてクロストークを展開します。もちろん“地域維持レスキュー”についても、その一端をご紹介いたします。さらに、Nomcraft Brewingさんの樽生クラフトビールもお楽しみいただけます。
参加無料ですので、ぜひお気軽にご参加ください。
★DATE & PLACE -----------------------------------------------------------
2025.6.6(金)18:30-20:30
Nomcraftタップルーム十三(大阪市淀川区十三本町1-11-16)
★CONTENTS ----------------------------------------------------------------
1.有田川町と私のなれそめ
2.ビール?山椒?みかん?有田川町のえぇもん
3.ぶどう山椒の可能性
4.地域維持レスキューで地域を元気に
5.ぶどう山椒収穫レスキュー’25予告
*ブレイクタイム* クラフトビールを山椒おつまみで
★こんな方におすすめ!------------------------------------------------------
・観光ではなく、“人に逢いに行く”旅をしてみたい方
・農ある暮らしにご興味のある方
・移住はハードル高いけど二拠点居住してみたい方
・有田川町に行ってみたい!方 etc
<お申し込み・詳細は Peatix から!>
https://peatix.com/event/4394183