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和歌山の映画祭コンペ部門グランプリは三浦和徳監督「scenario」

(左から)小川実行委員長、グランプリを受賞した「scenarioo」の三浦監督

(左から)小川実行委員長、グランプリを受賞した「scenarioo」の三浦監督

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 三浦和徳監督の映画「scenario(シナリオ)」が10月13日、「Kisssh-Kissssssh(きしゅーきしゅー)映画祭2024」の「インディペンデント作品コンペティション」のグランプリになった。

(左から)小川実行委員長、最優秀主演賞を受賞した外山さん

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 10月12日・13日、本町公園(和歌山市北桶屋丁)と北ぶらくり丁商店街で開催された同映画祭。コンペティションには120を超える自主制作映画の応募があった。実行委員が審査で選出した入賞5作品を会期中、「北ぶらBASE」(中ノ店北ノ丁)で上映。会期中の観客投票で決定したグランプリ作品と最優秀主演賞・助演賞を13日に本町公園で発表した。

 入賞5作品は三浦監督の作品のほか、「いつか、母を捨てる」(木内麻由美監督)、「僕の翼は、足になった。」(節田朋一郎監督)、「幸福指数」(西井舞監督)、「フューチャー!フューチャー!」(眞鍋海里監督、山本ヨシヒコ監督)。

 グランプリ作品「scenario」は、AIシステム「scenario」によって最適解が提示されるようになった世界を舞台にした1人の女性の決断の物語。作中では、老若男女さまざまな人々がスマートフォンで手軽にAIを使う日常を描いた。2012(平成24)年から広告などの映像制作を手がける三浦監督が、独自の表現を追究し、制作した初監督作品。

 三浦監督は「観客の皆さんにグランプリ作品に選んでいただけたことがうれしい」と笑顔を見せた。「作品の構想を始めた2020年ごろは生成AIを利用する人はほとんどいなかったが、グルメサイトの評価で飲食店を決めたり、マップアプリで歩く道を決めたりするなど、判断を委ねる機会が増えていると感じていた。自分で物事を考える行為は尊い。主人公の体験を追体験してもらい、作品の世界観を体感してもらえたら」と話す。

 最優秀主演賞は「いつか、母を捨てる」の外山史織さん、最優秀助演賞は同作の山野海さんの2人が受賞した。初主演を務めた外山さんは「俳優として全力で向き合った作品。自分の人生を変える作品になると撮影に臨んだ。協演した山野さんをはじめ、スタッフの皆さんがここまで連れてきてくれた。たくさんの人に観賞してほしい」と話す。

 実行委員長の小川貴央さんは「今年も力作ぞろいで観客の投票も1作品に集中しなかった。結果としてグランプリ作品と主演・助演賞が分かれた。三浦監督作品はたくさんの人を物語に引き込んだ。外山さんと山野さんのすばらしい演技は強烈な印象を残してくれた」と話す。

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