「第8回鈴木サミット」が11月17日、鈴木姓発祥の地とされる海南市各地で開催される。
藤白神社(同)境内にある「鈴木屋敷」は、平安時代末期に熊野から移り住んだ鈴木氏の邸宅を復元したもの。鈴木氏が全国に熊野信仰を広める過程で、各地に定住した一族や神官が鈴木姓を名乗ったことで鈴木姓が広がったとされる。
主会場の海南保健福祉センター(日方)では、佐藤姓発祥の地とされる栃木県佐野市から「佐藤の会」のメンバーを招き、佐藤グッズの紹介を行う。これに対抗する形で、「博報堂」(東京都港区)のクリエーターによる「鈴木屋敷を話題化するための鈴木グッズの提案」をテーマにしたパネルディスカッションを開催。お笑いコンビ「キャイ~ン」のウド鈴木さんやアニメソング歌手の鈴木このみさんからの応援メッセージ映像も上映する。
道の駅「海南サクアス」(下津町小南)では、スズキ社製の二輪・四輪で来場した人に「鈴木大躍進」ステッカーを配布。同施設ではサミット限定メニューの魚のスズキと砂糖を使った菓子をセットにした「スズキの共食い・佐藤を喰(く)らえ」セットを提供する。
当日から1週間限定で、2023年4月に復元し、一般公開を始めた鈴木屋敷の拝観料300円を鈴木姓の人は無料にする。一方、日本名字ランキング1位の「佐藤」姓の人は17日のみ拝観料を5万円に設定するユニークな対応も。
鈴木サミット実行委員会の神出勝治会長は「全国約176万人いる鈴木姓の人のルーツが海南市にある。鈴木姓には由緒正しい歴史があることを知って、誇りを持ってほしい。鈴木のふるさととして、地域一丸となり、盛り上げつつ、佐藤姓の皆さんとは穏便にやっていきたい」と笑顔を見せる。
海南市シティプロモーション課の宇尾崇俊さんは「復元された鈴木屋敷の存在を全国にアピールし、新たな観光の核としたい。名字そのものが観光資源となることは珍しい。市は今回のサミット開催を契機に、鈴木姓への関心を高め、関係人口・交流人口を増加させていきたい。『佐藤の会』の話題づくりやグッズ展開などを手本にし、『鈴木さん』に限らずたくさんの人に興味を持ってもらえれば」と話す。
メイン会場のイベント開催時間は13時30分~16時。入場無料。