有田川町の「篠畑農園」が12月20日、「ぶどう山椒(さんしょう)」を使った調味料「後がけ山薫るスパイス」の販売を始めた。
「篠畑農園」が販売するスパイスミックス「後がけ山薫るスパイス」
サンショウが主役の同調味料は、塩と粉末みそなどで味を付け、白コショウ、ニンニク、タマネギ、赤唐辛子、ショウガなどを加えたミックススパイス。「篠畑農園」代表の篠畑雄介さんがサンショウ利用の入門用にと考案し、「カネカサンスパイス」(大阪市)と共同開発した。
大阪生まれ有田川町金屋地域育ちの篠畑さんは、大阪で食品を扱う仕事に従事し、全国有数のサンショウ産地として知られる同町が、担い手不足と高齢化で産地消滅の危機にひんしていることを知り、就農を決意。2019年1月から同町清水地域のサンショウ農園で働き、2022年に独立した。
篠畑さんは「実は、サンショウは舌がただ痺れるイメージで苦手だった。有田川町で暮らしている時はサンショウの生産地と知らなかったが、町を離れてから、町産ぶどう山椒を食べ、好きになった。サンショウはウナギにかけるだけでなく、さまざまな食材に合う。この商品を万能調味料として、焼き肉や卵かけご飯、揚げ物など、さまざまな料理に使って、気軽にサンショウの風味を楽しんでほしい」と話す。「サンショウを好きな人が増えれば、生産者もより意欲的に栽培に取り組める。この素晴らしい作物を未来につなげていきたい」と意気込む。
価格は980円~。阪和自動車道紀の川SA(下り)、黒潮市場、食品館サンキョー(以上和歌山市)、とれとれ市場(白浜町)、道の駅海南サクアス(海南市)、しろにし(有田川町)などのほか、同農園オンラインショップで販売する。