和歌山・紅葉の根来寺でかくばん祭り-復活した餅まきに大歓声

縁起物として行われる餅まき

縁起物として行われる餅まき

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 戦国時代の僧兵集団「根来衆」で知られる岩出市の根来寺(岩出市根来)で11月22日、第17回紀州根来寺かくばん祭りが開催された。

根来寺の国宝の大塔(左)と伝法院

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 根来寺は新義真言宗の総本山で、覚鑁上人(かくばんしょうにん)が1130年に「伝法院」を高野山上に建立したのが始まり。戦国時代には大きな勢力を備えたが、1585年(天正13年)豊臣秀吉によりに攻め入られ、大塔・大師堂などの2~3の堂塔を残して全焼。その後紀州徳川家の庇護(ひご)を受けて、大門・伝法堂・常光明真言殿・不動堂など主要な伽藍(がらん)が復興された。

 同祭りは岩出市を中心に始まり、現在は市の観光協会を中心とする実行委員会で運営される。この日、和歌山地方気象台は最高気温20度を記録。秋の陽気と紅葉に誘われて4000人が同祭りを訪れた。メーン会場では、和太鼓や獅子舞が披露され、ご当地アイドル「ナガール」も初出演。特産品の根来塗や陶芸の体験コーナーが設けられた。

 岩出市観光協会の中本篤男さんは「最も問い合わせが多いのは『根来鉄砲隊』の演武。根来史研究会のメンバーで構成され、全国で演武を披露して有名になり問い合わせが増えている」と話す。

 根来は日本で初めて鉄砲の国産化に成功した地といわれ、同寺の僧兵で鉄砲隊を創設し秀吉の侵攻の際に鉄砲を使って応戦したことで有名。この日は不動堂で火薬を使った迫力のある演武を披露。僧兵に扮(ふん)した鉄砲隊が弾込めと射撃をしながら石段を駆け下りる姿に見物客からは驚きの声と拍手が送られた。

 最後は餅まきが行われ広場が人で埋め尽くされた。「過去には餅まきを行っていたが、近年は安全上の配慮から引換券で餅を渡していた。盛り上がりに欠けるということで、久々にやってみようという意見が実行委員から上がり復活した」(中本さん)。用意された6000個の餅が宙に舞うと集まった人から歓声が上がった。

 餅まきに子どもと参加した岩出市在住の女性は「楽しかった」と親子で笑顔。袋いっぱいの餅を見せながら「明日は別の餅まきに行く」とさらに笑った。

 中本さんは「根来寺の紅葉はまだ楽しむことができる。桜の名所でもあるので春にもぜひ来てほしい」と呼び掛ける。

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