酒造会社「中野BC」(海南市藤白)が1月17日、自社栽培のシイタケ「ビーシータケ」を和歌山青果市場に初出荷した。
和歌山青果市場出荷当日に自社内の稲荷神社に奉納されたシイタケ
1932(昭和7)年に「中野醤油(しょうゆ)店」として創業した同社。1949(昭和24)年に焼酎「富士白」の製造を開始し、現在は焼酎や日本酒、梅酒などの果実酒のほか、機能性食品・化粧品などの製造販売を行う。
2024年にアグリ事業部を創設し、酒造りで培った菌を扱う技術を生かし、シイタケ栽培を計画。同年4月に栽培ハウスを建設し、5月から栽培を始めた。約20~30個のシイタケが収穫できる菌床4000個を、室温16度~18度のハウス内で栽培する。
昨年10月から「道の駅サクアス」(海南市下津町)やファーマーズマーケット「とれたて広場」(重根)で試験販売を行い、1月17日に青果市場に初出荷。出荷当日は、同社敷地内に祭る稲荷神社にシイタケを奉納し、新規事業の成功を祈願した。
同事業部スタッフの山下秀樹さんは「湿度が高すぎても低くすぎてもカビが生えるため、湿度管理が難しい。これまで酒造りでこうじ菌や酵母の管理に携わってきた経験を生かし、収穫量を増加させていく。今後はハウスを増設し、さまざまなキノコを栽培していきたい」と話す。「実はキノコが苦手で、この事業部に所属になって数年ぶりにシイタケを食べた。自分たちで栽培した生シイタケは、癖がなく、とてもおいしかった。シイタケは酒とも合うので一緒に楽しんでもらえたら」とも。
販売価格は3~6個入り200円前後。同社内売店「長久庵」や「道の駅サクアス」「とれたて広場」などで販売する。