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紀の川市でデマンド乗合車両の運行開始 河北地域331カ所に乗降場

「紀の川デマンド乗合交通(のりのり交通)」の試乗会の様子

「紀の川デマンド乗合交通(のりのり交通)」の試乗会の様子

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 予約した時刻や乗り場に合わせて走行するデマンド交通サービス「紀の川デマンド乗合交通(愛称=のりのり交通)」の運行が1月8日、紀の川市で始まった。

「紀の川デマンド乗合交通(のりのり交通)」の車内

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 同サービスは公共交通の利便性の向上や維持を目的に導入。乗降場所を駅や体育館、スーパーマーケットのほか、約300メートル間隔のごみ集積所など331カ所に設置した。人工知能(AI)を活用して運行効率を高め、鉄道や路線バス、コミュニティーバスなど既存の公共交通と組み合わせた利用の促進を目指す。予約や運行管理システムは「モネ・テクノロジーズ」(東京都千代田区)が提供し、車両は「和歌山バス那賀」(紀の川市藤崎)と「有交紀北」(かつらぎ町笠田東)が運行する。

 乗降場は市内を東西に流れる「紀の川」北側の河北地域東部に115カ所、河北地域西部に187カ所を設け、両地域で各1台の9人乗り車両が運行。粉河駅周辺の29カ所は両地域の車両が停車する。2026年1月から河南地域でも運行を予定する。

 利用には、書面かスマートフォンで事前登録が必要。予約は、電話(TEL 0120-203-055)、紀の川市LINE公式アカウント、スマートフォンアプリのいずれかで行ってもらう。アプリを使えば、地図で乗降場所を選択したり乗り場の写真や走行中の車両の位置を確認したりできるようにした。

 市によると、1月29日現在で360人ほどが登録し、180人を超える利用があったという。市は利用説明会や試乗会を開催し、周知に努める。2月3日に那賀支所で開いた試乗会には、募集定員を上回る15人の参加があった。参加者は、車両の乗り心地を確認したり利用方法について説明を受けたりしていた。

 同市交通政策課の南條青志さんは「市が運行するコミュニティーバスには、運行本数やバス停の少なさ、長い所要時間などの課題があった。このサービスの導入でたくさんの人にとってより近くなる乗り場ができた。鉄道や病院、習い事の時間に合わせて予約できると好評。マイカー利用者も一度試してほしい」と話す。

 運行時間は8時30分~16時30分(日曜・祝日と年末年始は運休)。運賃は、一般=300円、小・中学生、障害者と介助者=200円、未就学児は無料。両地域をまたぐ利用には2回分の運賃が必要になる。支払い方法は現金と「PayPay」。

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