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和歌山城公園で有吉佐和子さんの「青い壺」展 愛用の青磁15点展示

有吉佐和子さん愛用の青磁を解説する大山学芸員

有吉佐和子さん愛用の青磁を解説する大山学芸員

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 展示「小説『青い壺(つぼ)』と有吉佐和子愛用の青磁」が3月4日、わかやま歴史館(和歌山市一番丁、TEL 073-435-1044)で始まった。

有吉さんの小説「青い壺」とモチーフになったとされる「青磁筒花入」

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 「青い壺」は、小説「紀ノ川」「複合汚染」などで知られる和歌山市出身の作家・有吉佐和子さんが1977(昭和52)年に発表した13の物語からなる短編集。無名の陶工が作った青磁のつぼが映し出す人間模様を描いた作品で、2011(平成23)年に新装版が刊行され、累計75万部を突破し再び注目を集める。

 茶道をたしなみ、多数の茶道具を所蔵していた有吉さんは、小説の主題に青磁を選ぶだけでなく、青磁器などを数多くコレクションしていた。没後、和歌山市に寄託された385点の品のうち青磁器は31点。青磁器の多くは、小説に登場する陶工「牧田省造」のモデルとなった加藤実さんの作品。

 同展には、小説に登場するつぼと同じ形の「青磁筒花入」や茶わん、香炉、香合(こうごう)、干支(えと)の置物など、15点を並べる。「青い壺」初版本を展示するほか、4月26日からは「文藝春秋」連載時の有吉さん直筆原稿も展示に加える。

 和歌山城整備企画課の大山僚介学芸員は「『青い壺』は各話に有吉さんが取り扱ったテーマがちりばめられ、初版発行から約50年がたった今も多くの人に愛されている作品。本展には県外からも来館がある」と話す。「青磁の品は有吉さんが収集しただけでなく、使った形跡があり、愛用されていたことが分かる。実際に見て、有吉さんの息づかいを感じ取ってほしい」とも。

 開催時間は9時~17時30分(入館は17時まで)。入場料は、大人=100円、中学生以下無料。5月30日まで。

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