
北山村観光協会(北山村下尾井)のSNS「X(エックス)」フォロワー数が5月31日、同村の人口を超え、405人になった。
同村は、和歌山県でありながら、三重県と奈良県に囲まれる全国唯一の飛び地の村。3月末時点の人口は381人。約48平方キロメートルの村の97パーセントを山林が占め、林業で栄えた。伐採した木材を新宮へ運ぶ手段として、「筏(いかだ)流し」が行われていたが、トラック輸送になり、廃絶。現在は産業文化を残そうと「観光筏下り」が行われている。
同協会は、道の駅おくとろ内の北山村観光センターを4人で運営しており、筏下りの予約・受付業務のほか、周辺地域の観光案内を行う。
エックスアカウントは2018(平成30)年に開設し、「観光筏下り」の運行情報や村の魅力をこれまで発信してきた。同協会は5月29日、「現時点での当アカウントの目標は北山村の現在の人口385人以上のフォロワーを獲得することです!大変な目標ですが和歌山県最後の村として頑張ってみます!」(原文ママ)と投稿。同投稿に130いいねが付き、49回リポストされた。その後も、フォロワー数と人口を比較する投稿が注目を集めた。5月29日時点では222人だったフォロワーは、1週間後の6月5日には770人を超え、フォロワー数が人口の2倍を超えた。
同協会が運用するこのほかのSNSアカウントのフォロワー数は6月6日現在、インスタグラム=5100人、フェイスブック=2600人。
同協会スタッフは「インスタやフェイスブックでは動画が反響を呼び、フォロワー数が増えたが、エックスはうまく運用できていなかった。村の常識や北山村あるあるなど、テキストでコミュニケーションを取りやすいネタを投稿したところ、反響があった。窓口で『SNSを見たよ』と言ってもらえることがスタッフ一同、うれしい」と話す。