
チョウ収集家の猪狩元気さんによる「むし展~かわひらこ~」が7月26・27日、「紀美野町文化センター」(紀美野町神野市場)で開催される。
「むし展~かわひらこ~」で展示されるの世界最大級のガ「カエサルサン」の標本
猪狩さんがこれまで収集した約1200頭のチョウやガの標本を展示する同展。かわひらこは、今昔物語集などで使われるチョウの古名。
世界最大の翼面積のガとしてギネス認定された「ヘラクレスサン」、世界最大級のガ「カエサルサン」、日本の国蝶(ちょう)「オオムラサキ」、和歌山県内で採集された希少種などを展示する。紀美野町内のチョウの調査記録を活用し、生息環境の写真パネルと季節ごとの出現マップで地域の自然環境を視覚的に紹介するコーナーも設ける。チョウと文学作品をテーマにしたコーナーでは、ヘルマン・ヘッセの短編「少年の日の思い出」の「クジャクヤママユ」、アニメ「鬼滅の刃」に登場する「ミイロタイマイ」など、作品と標本を共に紹介する。
両日13時から岩出市の中学3年生・白石凱都さんが展示解説を担当する。白石さんは小学校5年の時に猪狩さんの展示会を訪れたことをきっかけに、現在は70種500頭以上の標本を自ら収集している。このほか、来場者には先着でオリジナルクリアファイルとカプセルトイを進呈する。会場では約15店が出店し、飲食販売やワークショップを行う。
猪狩さんは栃木県出身。幼少期からチョウや虫を愛好し、大学では教育学部で国語を専攻、教員として務め、2018(平成30)年に同町に移住。2019年にオーストラリアで「オオルリアゲハ」の標本を購入したことをきっかけに、本格的な収集を開始。会社員として働きながら、2022年から展示会を開き、2023年からは複数会場での巡回展を開催した。猪狩さんによると、来場者数は延べ2000人以上という。今回が9回目の展示会。同展では実行委員会を組織し、より大規模な展示に挑戦する。
猪狩さんは「チョウは色や形、模様など、『なぜこんな姿になったのか』と想像をかきたてさせる自然の芸術。和歌山をはじめ世界のチョウや虫を見られる機会を提供することで、一人でも多くの昆虫キッズの誕生を期待している。好きなことに夢中になる大人の姿を見せたい」と話す。
開催時間は11時~17時。入場無料。