
「河内祭」が7月26日・27日、古座川町を流れる古座川で行われた。
古式捕鯨で使われた鯨舟を再現した「御船」2隻が水上渡御する同祭りは、河口から約3キロ上流の河内島にある河内神社の例祭。同町の高池下部・宇津木・月野瀬と串本町の古座・古田の周辺5地区が合同で開催している。1999(平成11)年に国の重要無形民俗文化財に指定された。
当日は「御船」2隻のほか、稚児の「ショウロウ」を乗せた「当船」、獅子屋台を乗せた「獅子舞伝馬」、地元の小中学生が漕ぎ手を務める「伝馬」などの船が古座川港を出航し、河口から河内島まで川を上った。「御船」に乗り込んだ人々が「御舟歌」を歌い、花火を打ち上げた。10時に御祭礼と13時の花まわりの神事で、船が河内島を周回した。
川岸では、古座の古座青年会、高池下部の芳流館互盟社、古田の古田区民会などが、それぞれの獅子舞を披露した。河内島を周回する伝馬レースでは、地元の小中学生が全力で漕ぎ、集まったたくさんの人が声援を送った。
40年間同祭に関わってきたという「熊野水軍古座河内祭の夕べの会実行委員会」上野一夫会長は「御船も伝馬も昔は3隻だったが、地元の人が少なくなって今は2隻で運営している。伝統を大切にしながら、花火や民謡、ダンスなども企画し、訪れた人に楽しんでもらえるよう工夫している。今後も文化を守り、新たな取り組みを取り入れ、継続していきたい」と話す。