
和歌山城公園動物園(和歌山市一番丁)で飼育されていたツキノワグマ「ベニー」のはく製公開を記念する催し「ベニーちゃん感謝祭」が9月23日、和歌山城ホール(七番丁)で開催される。市民団体「わかやまフレンZOOガイド」と和歌山城公園動物園の共催。
ベニーは、2024年7月18日に同園で死んだ雌のツキノワグマ。1994(平成6)年から同園で飼育し、2015(平成27)年に行われた「第1回動物園長選挙」で同園初の「動物の園長」に選ばれ、園のPRなどに活躍した。死後園舎の前に設置された献花台には約1カ月で100本の花束と80通の手紙が供えられた。
同団体はベニーの死後、飼育下で30年以上生きたツキノワグマとして生前の姿を後世に残し保管するため、はく製と骨格標本を製作。同団体によると、1月から3月にクラウドファンディングサイトで寄付を募ったところ、北海道や東京、千葉、大阪など県外からも支援があり、150万円以上が集まったという。
当日は、「はく製のお披露目式」を開くほか、ベニーのプロフィルや生前の様子を伝えるパネルの展示、ベニーへのメッセージの受付、動物に関する絵本コーナーなどを設ける。はく製はイベント後、和歌山県立自然博物館(海南市毛見)に寄贈する。
同団体事務局長の後藤千晴さんは「和歌山城公園動物園の象徴的存在だったベニーちゃんが帰ってくる。たくさんの人に会いに来てもらいたい。ベニーちゃんを思い出すことで、動物園のことや命の尊さについて考えてほしい」と話す。「はく製や骨格標本などの資料が、いつかほかの動物園で暮らすツキノワグマの福祉向上や野生動物と人類の関わりを考える時に役立てば」とも。
開催時間は9時30分~17時。入場無料。