今年収穫した和歌山県産「南高梅」で仕込んだ梅酒「香る南高NOUVEAU(ヌーボー)」の販売が11月21日、全国の酒販店などで始まった。製造は酒造会社「中野BC」(海南市藤白)。
6月6日の「梅の日」に漬け込み、半年ほどで実を取り出し、熟成する前に出荷する同商品。2011(平成23)年から梅本来の味わいを知り、さまざまな梅酒を楽しんでもらおうと販売する。同社によると、熟成した梅酒に比べ、淡い黄金色で「南高梅」の香りと酸味が強いという。アルコール度数は、 一般的な梅酒より高い20度。
梅酒杜氏(とうじ)の藤原弘彰さんによると、今年は県内ではひょう害があり、「南高梅」の収量は例年と比べ少なかったという。同社は、例年通りの量の「南高梅」を確保し、高さ4.2メートル、直径2.6メートルのタンク1つに約22万個の実をコンテナで運び入れ、手作業で仕込んだ。
藤原さんは「大粒のウメの実を扱う作業は重労働だが、伝統製法を守り、実に傷を付けないように手作業で行っている」と話す。「新酒は、青梅のフレッシュな香りが感じられる。ウメの実には個性があり、毎年仕上がりの味が異なるため、発売を待つリピーターも多い。ローストビーフなど甘だれ系の料理やチーズとよく合うのでマリアージュを楽しんでほしい」とも。
価格は、720ミリリットル=1,595円、1.8リットル=2,640円。同社内売店「長久庵」やオンラインショップ、全国の酒販店などで販売する。