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和歌山県が「GitHub」で公式アカウント開設-地方自治体初の試み

和歌山県庁の外観

和歌山県庁の外観

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 和歌山県は2月23日、データ共有ウェブサービス「GitHub(ギットハブ)」の公式アカウントを取得し、誰でも自由に閲覧・使用できるデータの公開を始めた。同サービスは米GitHub社が2008年から運営し、個人・法人を問わず無料で利用できる。

和歌山県情報化推進協議会が2月21日に開催した「インターナショナルオープンデータデイ2015 in Wakayama」の様子

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 Git(ギット)とは、プログラムのソースコードなどの変更履歴を記録・追跡できる分散型のバージョン管理システム。この仕組みを利用して、ギットハブは世界中のプログラマーやITエンジニアがソースコードやデザインデータなどを保存・公開できるようにしている。そうしたことから、「技術者向けのSNS」とも呼ばれている。

 世界では、ホワイトハウスなど約450の組織が登録している。国内の公的機関では、国土地理院、JAXAに次いで和歌山県が3番目、地方自治体では初めて。アカウントで公開されたデータは誰でも使うことができ、商用利用も可能だ。

 県情報政策課の田中一也課長は「技術者に向けて、分かりやすく使いやすい形で情報を出したいと思った」とアカウント開設の経緯を話す。県が持つさまざまなデータとして公開することで、「オープンデータを活用したスマートフォン用のアプリ開発が行われるなど、県民がより情報に触れやすい状況になるのではないか」とも。

 和歌山県が公開したデータは、公共トイレの情報をまとめたエクセルファイルや県内の避難所先をまとめたページへのリンクなど。公式アカウント上にまとめて掲載している。

 データが利用されると履歴が残る機能にも触れ、「誰がどんな風に関わり、どのように使われたか追っていけるのも魅力。思いも寄らない活用法に出合うことで、課題解決の糸口になれば」と田中課長。

 県在住で「Code for Wakayama」に参加するプログラマーの宮内隆行さんは、「自治体がGitHubアカウントを取得したことは、単なるデータの公開に留まらず、プルリクエストなどによる政治参加のイノベーションを起こす可能性も秘めている」と、今後の展開に期待を寄せる。

 詳細は和歌山県のGitHubアカウント上で確認できる。

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