和歌山市加太で9月20日~22日、「Kisssh-Kissssssh(きしゅーきしゅー)映画祭」が開催された。
同映画祭は今回で3回目。加太にある7カ所の会場で、映画上映や監督によるトークライブが行われた。
同祭では毎年、観客の投票によって自主制作映画コンペティションを行っている。今年の長編作品部門は松本卓也監督「帰ろうYO!」、短編作品部門は市田俊介監督「NINJA VS YAKUZA」がグランプリに輝いた。新設の「特別賞」には、長棟航平監督「みなと、かこ、げんざい」が受賞した。
長編部門グランプリ「帰ろうYO!」は、都会でラッパーとしての夢を追っていた若者のUターンを描いたドラマ。松本監督は「2回目の出品で受賞できて本当にうれしい。ラップとヒューマンビートボックスを中心に据えながらも、世代間のコミュニケーションをテーマにし、観客の年代にかかわらず楽しんでいただける作品づくりを心掛けた」と喜びを見せる。
短編部門グランプリ「NINJA VS YAKUZA」は、今回の出品作品の中で唯一のアクション映画。市田監督は「自主制作映画の世界ではアクションを撮る人が少なくなっているが、とことんアクションにこだわった」と話す。
22日の野外上映会場では、上記の受賞作に加え、本年度アカデミー外国語映画賞の日本代表作「百円の恋」を上映。同作品の武正晴監督も会場に姿を現し、「連絡を受けた時、日本アカデミー賞かと思った。世界を意識してなかった自分に気付かされた。今後は世界を視野に入れて作品を作っていきたい」と笑顔を見せていた。