南海電鉄和歌山市駅近くの和歌山市民図書館(和歌山市湊本町、TEL 073-432-0010)で11月21日、ワークショップ「みんなでつくろう みんなのまちの図書館」が始まった。同館では現在、参加者を追加募集している。
和歌山市は今年5月、同館を南海電鉄和歌山市駅ビルへ移転する計画を発表した。市の「新図書館基本構想」によれば建設から30年以上がたち耐震改修が必要であることや、収蔵能力の限界、駐車場不足などが理由として挙げられる。平成26年度時点の所蔵資料は43万点、利用者は年間19万人。
全4回の「市民参加型まちづくり・図書館づくりワークショップ」の1回目が行われたこの日は、約30人の市民が5つのグループに分かれ、第1部でまちづくり、第2部で図書館について意見を出し合い発表した。
第1部のテーマは「和歌山市の文化・歴史・観光」。和歌山ラーメンや「玉林園」(出島)のグリーンソフトなどのご当地グルメや、七曲市場・ぶらくり丁などの街並み、加太や雑賀崎の海辺の風景に意見が集まった。ファシリテーターを務めた横浜市在住の岡本真さんは「熊野古道や高野山が有名なこともあり、海のイメージはあまりなかった。和歌山市は、もっと海をアピールしていいのでは」と話す。
第2部では「和歌山市で働く・住まう・育てるに役立つ図書館・まちのアイデア」をテーマに、子育て支援やカフェを併設などの意見に加え「泊まれる本屋ならぬ泊まれる図書館」、「レンタサイクルなど、本以外の貸し出す」などの意見が出された。駅に併設ということで「始発から終電までの開館」「南海電鉄沿線の全ての駅で返却ができる」「改札口に返却BOXが欲しい」などの意見が出た。
友人に誘われて参加した30代の女性は「今まで自分で考えていたが、どうせできないと諦めていたアイデアも実現するかもしれないと期待が持てた。もっとたくさんのことを望んでいいと感じた」と笑顔を見せる。
提案された意見は図書館利用者や市民を対象にしたアンケートを加味し、本年度作成する「市民図書館基本計画」に反映する。ワークショップを企画した岩西産業(畑屋敷西ノ丁)の建築士・岩西智宏さんは「思いもよらない意見を聞くことができた。中学生から参加できるので幅広い世代の人に参加してほしい」と参加を呼び掛ける。
次回開催日程は11月28日、12月6日・12日。