和歌山県立情報交流センター「Big・U(ビッグユー)」(和歌山県田辺市新庄)で3月5日、「International Open Data Day(インターナショナルオープンデータデー) 2016 in Wakayama」が開催された。
オープンデータはインターネット上で公開された誰でも自由に閲覧・使用できる情報。同イベントは、世界規模でオープンデータを活用した地域振興、福祉向上を目指すハッカソンとして開かれた。
ハッカソンとは、ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語で、プログラマーたちがプログラム開発やサービス考案をマラソンのように数時間から数日間にかけて共同で行い、アイデアや技術を高めるイベントのこと。この日、世界261カ所、うち日本では68カ所で同時開催された。和歌山では昨年に続き2回目。
当日は、県情報政策課の坂野悠司さんがオープンデータ活用の取り組みの意義と現状を説明。その後、22人の参加者が2つのグループに分かれ、プログラミングとコンテンツ作成に取り組んだ。
坂野さんは「名前だけ聞くと技術者だけのイベントと勘違いされるが、『街をよくしたい』という思いを持った有志の集まりだ。オープンデータで解決できる地域の課題をどう解決するか、地域の魅力をどう発信していくかに取り組んでいる」と話す。「自分たちの街には何が必要で何がしたいのか、エンジニアと一緒に今後も継続して考えるきっかけを作っていきたい」とも。
プログラミング教室では、有志のエンジニアグループ「Code for Wakayama(コードフォーワカヤマ)」の宮内隆行さんがオープンデータを利用したスマートフォン用アプリケーションの開発について説明し、参加者とともにパソコンに向かった。コンテンツ作成では、観光業の「田辺市熊野ツーリズムビューロー」会長の多田稔子さんが外国人観光客の受け入れの活動について説明。県立田辺高校の生徒たちの地域学習の成果も踏まえ、地域情報サイト「LocalWiki(ローカルウィキ)」にページを作成した。
闘鶏神社(東陽)で毎月恒例の朝市「弁慶市」を開催する「南紀みらい」の中山智之さんは、コンテンツ作成のグループに参加。「田辺高校生が朝市の参加者98人にアンケートをとり、データ化してくれた。参加者の年代、性別、住所など感覚で捉えてきた情報が数値化され、理解が深まったと思う。客観的に見ることであらためて若年層が少ないことや、参加者の動機を知ることができたので、今後のイベント運営に生かしたい」と話す。